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18切符読書感想文まとめ その2

電車旅は睡魔との戦いであるらしい。だがそれこそが魅力でもあるので完全に抗うのは難しい。
ということであまり数はないけれどまとめ。



『寒い国から帰ってきたスパイ』ジョン・ル・カレ(1963)

海外小説はハマるものはハマるが、なかなか難しいものが多いのも事実(個人的感想)。なのでこちらも読み出して早々放置してしまっていたが、今回頑張って読んでみた。
今更ながら60年も昔の出版であったことを知るが、古臭さは感じない。当時はソ連もバチバチに宇宙開発などしていた頃。さぞかし世相を反映していたのだろう。
ただやっぱり、文体やテーマ自体が自分にとって取っつきづらく、しんどい読書だった。
そしてラストも……しんどい……オォ……。



『折れた竜骨(上・下)』米澤穂信(2010)

久しぶりの米澤穂信。
小市民シリーズや古典部シリーズは勧められて、とてもおもしろく読んだので期待していたのだが。
うーん。
後半からラストの種明かしのあたりはそれまでの作品を思わせる面白みがあり良かったのだが、それに至るまでがちょっと退屈に感じた。
ただその退屈さがリアルと言えばリアル。例えば舞台となったソロンのその後は当然アダムが領主となり取り仕切っていくだろう。アミーナが女領主になればフィクションとしては如何にもだが、お膳立てが過ぎる。
ちょっと物足りないかもしれないけれど過剰なストーリーを盛らないところが、作者の魅力だと思っている。



『功名が辻(二)』司馬遼太郎(1965)

司馬先生ェ!
実のところ二作続いて肩透かしを食らった(単に好みのズレだが)ので、満を持してという感じ。まだ読み切っていないのですが。
一巻では「功名!功名!!」と無我夢中で戦っていた伊右衛門にも大名らしい落ち着きが見え出し、物語が次のフェーズへ移っているのを感じる。舞台そのものも織田→豊臣(→徳川)へと移りつつある。
紀行文を良くした作者だからか、広い視点での情景描写が良い。行ったことのある土地が出てくると尚楽しい。
よね姫……(泣)


2泊3日もしたのに今回はあんまり集中して読めなかったなぁと反省。
やっぱり体調、少なくとも睡眠はしっかり整えてから旅に出るべきであるし、あんまり旅が連続してもいけない。
バランス、大事。
選書、大事。


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