今時ホームページが必要?SNSがあれば充分? 検索結果が名刺のようなもの
こんにちは、ファゴット奏者の蛯澤亮です。楽器を吹いたり、youtubeやnoteで情報を共有したり、コンサートの企画運営をしています。
さて、今回のテーマは「今の音楽家の情報発信」。
私が学生の頃にITブームがあってホリエモンが大活躍。その頃の音楽家の仕事の仕方と今ではかなり変わりました。そんな違いを考えながら今、最低限何が必要なのか考えます。
一昔前の仕事は電話で来た
私が学生の頃はみんな携帯電話を持っているのが当たり前でした。もちろんガラケーですけどね。約20年前(もうそんなに経つかw)。
その頃の仕事は全て電話できました。プロオケも寄せ集めもレッスン指導も全て。メールも使っていましたが、メールで来ることはほぼなかったですね。まずは電話で連絡。電話が来たらすぐに手帳を出して日程を確認し、その場で返事すると言うある意味単純な世界でした。
ではその電話がどういう流れで来るかと言うと、人づてです。誰かの紹介だったり、どこかで名刺を渡した人だったり。名刺は学生でもみんな持っていました。先輩と会った時に名刺を渡しておけば電話で仕事依頼されることもありました。とにかく会う人会う人に名刺を渡したり電話番号を伝えることが重要でした。
しかし、電話なんてもはや使いませんよね。電話すると言ってもLINEやメッセンジャーだったりするし、電話料金は携帯電話のパック料金に入っていない人もいます。私もそうです。だからむしろ電話をかけ直さなければいけないときはイラッとします。
ホームページは必要か
このご時世、ホームページを持っている人の方が少ないですよね。というかホームページを持っている人の方がいつの時代も少ないか。
かつてはネットに自分の情報を公開しておくのはホームページでしたが、今はSNSもあるのでなにかしら「自分の情報」を誰でも閲覧できるところに置いておくのは重要です。
仕事のまわりかたも人づてから検索して依頼することも多くなってきました。もちろん、信用関係も大事ですから知っている人や信頼している人からの紹介の方が上ですが、軽い単発の仕事なら知らない人でもお試しで頼むことがあります。
たとえば昔なら飲み会でたまたま会ったりした人やオケで一緒になった人などはその場で得た情報をもとに判断していました。どんな人なのか?実力はどうなのか?
しかし、最近は新しい人と知り合うとまず検索することが多くなります。
例えば「ピアニストでこういう仕事できる人知らない?」と紹介してもらう時に「では〇〇さんはどう?」と名前を出されるとまず検索します。そして演奏がYouTubeなどで聞けないか、どんな活動をしているのかなどをチェックします。この時にほぼ情報が出てこないと不安になります。
しかし、自分でホームページを作っていたり、SNSでちゃんと「自分は何者か」という情報が出ている人は頼みやすいのです。かつては紹介されたら紹介者を信頼して、会うまではどんな人かわからなかったものですが、今はネットに情報が出ているかが判断基準の一つになります。
ですからホームページのようにその人の情報が集約されたものがあれば可能性は高まります。特に演奏以外にも個人レッスンや別の仕事、チラシ作成や写真撮影、動画編集などもやっていればそういったことも入れておけば仕事が来る可能性はありますよね。
また、ツイッターやインスタ、フェイスブックもあります。SNSは情報が整理されないために見づらい場合もありますがないよりはマシです。特にクラシックのファン層は年齢層が高いのでフェイスブックをやっている人が多く、クラシック音楽家はフェイスブックをやるのは有効だと思います。
上下関係が薄くなることでネットがより重要になる
かつては卒業生が音大に行きやすく、練習もそこでして学生と知り合い、そこから仕事が流れていくというのがありました。私も国立音大にいたときは先輩がいると聴こえるように意識して練習したりしていました。そこで「あいつ結構まじめにやってるな」とか「結構良い音してるじゃん」って思われると仕事がもらえたのです。そこでうまくいけば次につながっていく。そんな流れでした。私が卒業してもしばらくはそんな感じで、大学に行くと卒業生がたくさんいました。20代の頃はウィーンから帰国して大学に行くと同期に会えたのでそこから飲みに行くという流れもありましたw
しかし、そういった大学のつながりも今やなくなりました。練習場所が規制され、セキュリティも強化され(これは良いことですが)、卒業生が行きづらくなりました。コロナ以前から飲み会に付き合う若者も少なく、最近は先輩方にあったときに「最近の若い子知ってる?」なんて話をよくされます。
自分から飛び込めばチャンスあり
つまり、若手が「上の人たちだけで仕事が回るから自分達に回ってこない」という話をされたことがあるんですが、これは逆に言うと「下の世代をしらないから上の世代で回さざるを得ない」という状況もあるのです。
実際、私も毎月銀座アンクで演奏していますが、コロナで人と会う機会が減ったこともあり、新しい共演者を求めてツイッターで募集したりしています。
私以上の世代で仕事を持っている人たちの中にはネットが苦手な人もいるし、ネットを使っていても自分からは絡みに行かない人も多いです。だって新しい人材がいなくても、すごく困るほど人手不足ではないですから。なんとか回せるんです。
でも、仕事を取りに行くって気持ちでSNSで発信している先輩たちに自分を売り込むのはとても良いことだと思います。そんな人なかなかいませんから。
売り込まれればその人の活動をネットで見ます。そこで「がんばってるんだな」と思われれば、ふとなにかの仕事で演奏者を探している時にあなたのことを思い浮かべるはずです。「そういえばこの前売り込んできた人、使ってみようかな」ってなることもあります。
そしてこれも一人に売り込んでも確率は低いですからたくさんの人に売り込むのが良いと思います。ただ、人は選びましょう。どこの世界もそうですが、音楽家、コンサート主催者、サロンオーナーなどの中には危ない人もいますから。そこは気をつけましょう。
ギャラはまだなんでもいいから演奏の場だけでも欲しいという方はとにかく情報発信して売り込んでみましょう。そこからなにかにつながることもあります。とにかく「やる気あります」という姿勢が大事です。そこから全てが始まります。
それではまた。
今日も人生楽しみましょう。
蛯澤亮
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