見出し画像

メスキータ。チキチータ。クタクータ。

メスキータ。チキチータ。クタクータ。

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868~1944)は、19世紀末から20世紀初頭にオランダで活躍した芸術家です。

メスキータの版画は大胆に単純化し、白黒で仕上げるのが特徴。その力強さに恐怖を感じます。白黒コントラストちょい強め。
さらに写実的な木版画作品と幻想的な作品を同時期に制作するというトリッキーさも兼ね備えています。

特に幻想的な作品はシュルレアリスム(超現実主義)におけるオートマティスム(自動記述)の先駆けとも言われているらしく…。
時代的には親愛なるサルバドール・ダリ先生のちょこっと先輩です。

美術の先生でもあったメスキータ。
教え子にはエッシャーがいます。だまし絵で有名なあのエッシャーです。

メスキータは教え子に対して「存在自体が木版画のシマウマを版画にすることは自制するべきだ。」と言っていたそうな。確かに、白黒だしね。

ところが。

そう言っていたメスキータ自身がある日、シマウマを題材にした木版画を制作。笑

エッシャーは「えぇぇぇぇ!?メスキータ先生!ワシらにあんだけ言うといて、自分はシマウマやってますやん!!」と思ったらしい。笑
メスキータ、ヤッテモータ。

そんなメスキータですが、その後アウシュビッツに家族全員で収容され、その生涯を終えるのです。
メスキータが捕まったとき、エッシャーは命がけで彼の作品を集め、守りました。エッシャーがいなかったら、メスキータの作品は誰の目にも触れることなく歴史から消えていたのかもしれない。

いろんなことを考えていたら、頭もクタクータであります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?