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午後ティー事件。

中学2~3年の時に過ごしたクラスは男女問わず仲良しでした。
卒業して何十年も経ちましたが、今も「同窓会」と称した飲み会を年に2~3回は開催しちゃうようなクラスです。
「年に数回会ったら、それは同窓会じゃなくて、ただの飲み会なんじゃ…。」と、たぶんメンバー全員が自覚していますが、そこはあえて「同窓会」と言いたい。そんなお茶目なクラスです。
今はこんな状況なので全く集まっていませんが…。みんな元気かな。

当時、私たちの担任はパワフルな女性教師で。
先生はとにかく声が大きい。そして楽しいことが大好き。自分のクラスの生徒を我が子のように褒めたり、叱ったりしてくれる素敵な先生でした。

先生は学期末が近付くといつも「お楽しみ会」を企画してくれました。
昔は3学期制だったから、お楽しみ会は年に3回。この日だけは他のクラスに内緒でお菓子やジュース持ち込みOK!いい時代だ。

さて、事件は会議室でも現場でもなく、お楽しみ会で起こりました。
あれは3年生の2学期。当時、クラス内ではカードゲームの「UNO」が大流行。
その流れでお楽しみ会でも「UNO大会」を開催することになりました。

男女混合の複数グループに分かれてゲーム開始。
みんな真剣。そして駆け引き。お菓子食べてジュース飲んでるけどカードを見る目は鋭い。あちこちから楽しそうな声が聞こえていました。

当時、私の隣に座っていたのはY君。真面目でおとなしい男の子です。
そしてY君の隣に座っていたのはちょっとギャルっぽいAちゃん。

順番を飛ばされたり、逆回りになったり。色を変えちゃったり。賑やかに戦いは進んでいきます。

UNOに夢中になりすぎたAちゃん。
喉が渇いたAちゃんは自分の手元を確認せず、Y君の飲みかけの午後ティーを飲んでしまったのです!
Aちゃんは結構な勢いで午後ティーをガブ飲み。いわゆる間接キスという状態ですね。
向かい側に座っていた子に「それY君の!!」とつっこまれ、ようやく気付いた模様。

「あー!間接キスだー!」

クラスに必ずは居るであろうお調子者がいろいろ余計なこと言ってクラスが大騒ぎ。
そのせいでY君は耳まで真っ赤に。下を向いて固まってしまいました。
この時「茹でダコみたいになるのって、マンガだけの話じゃないんだ…」と思ったのを覚えています。

盛り上がるお調子者たちに対して、Aちゃんは「別にいいじゃーん。」みたいなリアクションだったけど、Y君は自分の手元に返ってきた午後ティーを何ともいえない表情で眺めていたな。青春。

それ以来、UNOを見るとその時の光景や中学時代を思い出して懐かしい気持ちになります。

十数年後、同窓会の時にUNO事件の話が出たけどY君もAちゃんも「そんなことあったっけー!?」って、すっかり忘れちゃってたなぁ。

当事者が忘れていても、なんだか忘れられないUNO事件のお話でした。


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