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越境メルカリ


みなさん、国内のフリマアプリ「メルカリ」は

使ったことありますか??


メルカリの利用者数は2000万人を超え、

累計出品数15億品を超える、日本最大級のフリマアプリです。


利用者数を見ると(2019年)

「アマゾン」が5,004万人(2018年同月比+10%)、

「楽天市場」が4,804万人(2018年+8%)

「メルカリ」が2,216万人(2018年+33%)

「ラクマ」が1,115万人(2018年+34%)

とそれぞれ大きく利用者数を伸ばしています。


利用者がどんどん増えているメルカリですが、

昨年2019年11月15日に、グローバル展開を進めていくことを発表しました。


一体どのような内容なのでしょう??


メルカリのグローバル化

世界100以上の国・地域で展開している

電子商取引(EC)サービス支援のBEENOS(ビーノス)、

その完全子会社が運営する

代理購入サービス「Buyee」(バイイー)と連携し、

国内に限らず、海外からでも購入できる体制を整えていくというものです。


したがって、BEENOS株式会社は株式会社メルカリと業務提携を行うことで

メルカリで出品された商品が世界100以上の国・地域へ

販売可能となりました。


今回の提携で、「メルカリ」と「Buyee」がシステム連携することで

何が可能になったのか?


BuyeeのWEBサイト内に「メルカリ」の海外向け販売ページを開設します。

サイト内では、日本語、英語、中国語から表示言語の選択による”翻訳”、

PayPalや銀聯クレジットカードなどの決済方法も利用することができます。


Buyeeは海外の利用者から注文を受けた商品を、メルカリで代理購入し、

Buyeeの国内倉庫に届いた商品を検品、梱包した後に”海外発送”します。

また、Buyeeは海外発送手続きや

日本語・英語・中国語の繁体・簡体での”問合せサポート”なども行います。


メルカリの海外販路拡大にあたり、

”翻訳”、”海外発送”、”問合せサポート”

ができることで、「メルカリ」の国内出品者は

販売機会の拡大が見込めることになります。


「メルカリ」「Buyee」双方のねらい

「メルカリ」では、Web版「メルカリ」への海外アクセス数が

2017年から約6倍にも増加するなど、海外利用者の潜在的な購買ニーズと

越境EC市場の有する潜在的市場規模が把握できています。

また、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」

という考えから、

代理購入サービス「Buyee」を介した越境販売を開始する運びとなったそうです。


一方、BEENOSは、モノ・人・情報を

「日本から海外へ」、「海外から日本へ」と

双方向に繋ぐグローバルなビジネス展開を強みとしており、

グローバルECサービスの運営、

インバウンド需要を見込んだ日本独自のコンテンツ商材の企画・開発、

そして世界11カ国80社以上の企業への出資を行っています。


特に、越境EC関連サービス「転送コム」と「Buyee」では、

両サービス合わせて2,000以上の国内ECサイトの海外販売をサポートし、

商取引の障壁となる「言語」「決済」「物流」の問題を解消することや、

海外発送オペレーション、カスタマーサポートなど独自のノウハウを持っています。

昨今、商品の安全性・信頼性の面から

海外における日本商品の人気が向上していることも一因となり

越境ECの市場規模が年々拡大しています。

今回の提携により、事業者の販売機会の拡大に加え、

海外利用者においては、問い合わせ対応等のサポートにより、

利用者はより使いやすく顧客満足度が向上するでしょうと予想しています。


またBEENOSは2020年8月12日、

シンガポール系ECサイト「蝦皮購物(Shopee、ショッピー)」で、

「メルカリ」の一部商品の台湾販売を開始したと発表しました。

こちらもBuyeeが担っており、

メルカリの一部商品を蝦皮購物(Shopee、ショッピー)に掲載します。

Buyeeの販売実績などから、ニーズが高い商品から掲載しています。

将来的には、メルカリ商品の大半が購入できるよう、商品数を増やしていく方向です。


蝦皮購物(Shopee、ショッピー)に掲載する商品ページは

BEENOSグループが翻訳、適正化を行い、

現地の消費者からの問い合わせにも対応します。

台湾の消費者から受注した商品は、バイイーがメルカリで購入手続きをし、

検品、梱包(こんぽう)した後に発送する流れです。


BEENOSグループは台湾を戦略的重点エリアと位置付けて、

事業を強化しており、2020年6月には台北市にマーケティング事業の子会社を設立しました。


この越境メルカリが 

eBay輸出と関係あるのでしょうか?

そもそもBuyeeって何?


などという疑問を持たれる方も多いと思いますので

説明していきたいと思います。

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Buyee(バイイー)とは?


Buyee(バイイー)は海外のバイヤーの代わりに商品を代理購入し、

海外まで発送する、という買い付け代行サービスです。

世界100以上の国・地域で展開している代理購入しています。


2012年頃から存在しているサービスで

楽天や日本国内アマゾン、ヤフオク、ZOZOなど約160社に対応しているサービスです。

今回、これにメルカリが加わりました。

ヤフオクやメルカリは海外から購入することができず

海外発送に対応していないので

代わりに落札をして発送してくれるサービスというわけです。


では、このBuyeeが メルカリ対応したということは?何が起きるのでしょう?

Buyee利用料金


まずは、利用料金を見てみましょう。


購入手数料が一律300円、プラス検品・保障料として0〜500円です。

日本国内のBuyeeの倉庫に荷物を送り、検品、梱包し直して

購入者/バイヤーに発送するという流れです。


バイヤーがかかる費用としては、 

購入手数料が一律300円、プラス検品・保障料として0〜500円

日本国内Buyeeの倉庫への送料

(荷物の重量・サイズ・配送元・配送手段などによって異なりますが、

通常150円~1,500円程度)

海外への送料


海外への送料に関しては特に上乗せはなく

EMS、SAL、UPS、DHL、船便に対応しています。


手数料が800円+送料(日本国内)+海外への送料でバイヤーが使えるので

リーズナブルなサービスといえます。


BuyeeとeBay比較


大きく異なる点は

Buyee(バイイー)は、”原則キャンセル・返品ができないということ”です。


eBayでは、ノークレーム・ノーリターンにしてはいけません。

バイヤーにとって、返品できるというところが

購入するにあたって大きな安心感になっています。

ですので、Return Requestというかたちで

eBayシステムに組み込まれています。


また、ブランド品が偽物であった場合・・・

Buyeeは、検品の際ブランド品の鑑定を行っていない、と明記しています。

そのため、お客様が入札されたオークションの商品、ショッピングにて購入された商品が

仮に偽物であった場合でも一切の補償を行うことはできないとしています。


eBayは、ブランド品には厳しく、

返品や返金に対しての補償が手厚く

バイヤーサイドに立ったプラットフォームとなっています。

ですのでセラーも最初からブランド品を出品できなかったり、

出品しても出品ページが削除されることもしばしばあります。


eBayの売上への影響

Buyeeのサービスが始まったのは2012年です。

楽天など提携先が一気に増えたのが2015年頃。 


やはりキャンセル・返品ができないということ、

eBayの市場シェアは19.7%で、アマゾンに次ぐ第2位であること


特に中古商品はebayのシステムのほうが

安心と感じる人が多く、

売上には差ほど影響はないでしょう。


しかし、BEENOSグループの動向は

興味深いので、情報として知っておくとよいです。


BEENOSグループの動向

①決済サービスの拡充

2020年8月27日BEENOSグループのtensoは、

海外ユーザーの国内ECサイトでの代理購入サービスBuyee(バイイー)において、

オークション利用時にもキャッシュレス決済「Alipay(支付宝/アリペイ)」の

オンライン決済を8月から利用できるようにしたと発表しました。


中国人ユーザー向けの決済を拡充し、さらなる利用拡大を図っています。

「Alipay」は、アントグループが提供する中国本土で9億人以上、

グローバルではパートナーを合わせて約13億人のユーザーがいる決済サービスです。

日本の越境ECサポートサービスでオークションの決済に「Alipay」を使用できるのは、

Buyee」が初です。


中国からのユーザー数が年々増加しているBuyeeしている中、

いままでオークションの商品については「Alipay決済」での決済には

対応していませんでした。

理由は、オークション商品だと最終的な価格とそれが決まる時間帯が明確でないため、

落札のタイミングで自動的に引落とす決済方法が提供できなかったからです。


Buyeeでは、中国からのオークション商品のニーズの増加に伴い、

独自の後払い機能を導入し、「Alipay」のオンライン決済を可能とする機能の開発・実装に至りました。

商品落札後に、ユーザーに対し後払いでの請求を行う仕組みのため

未払いのリスクが発生します。

しかし、既存の「Buyee」ユーザーの蓄積データや

利用ユーザーの決済や注文に関する豊富なデータを解析することで、

Buyee独自のリスク判定のロジックを策定し、

ユーザーの特性ごとに利用金額や後払い機能の使用の可否を判定しています。

tensoはこれにより、未払いのリスクをコントロールしつつ、

流通の拡大を図る考えを示しました。


8月25日から9月7日までの期間、同決済サービスの利用開始を記念し、

「Buyee」と「Alipay」の共同プロモーション

「Buyee新規利用&Alipayオンライン決済で国際配送料無料」キャンペーンを

開催しました。


②配送サービス「Buyee空運 中国」

Buyeeは、2020年7月から中国に向けた配送サービスとして、

「Buyee空運 中国」を導入しました。

これにより、国際送料をEMSより安価で提供し、郵便通関で発送が可能になりました。

中国のユーザーの利便性を向上させるためのサービス拡充となっています。


③利用言語の拡大

BEENOSグループは、日本のコンテンツの海外進出をテクノロジーで支援する

グローバルプラットフォーマーとして、海外販売の機会を増やし日本企業の可能性を拡げる一助となることを目指すとしています。


海外発送代行サービス「転送コム」と合わせるとユーザー数は世界中に210万人以上です。Buyeeを含めたグローバルECサイト全体の、年間流通総額は246億円といわれています。

かつては日本語・中国語(繁体字・簡体字)・英語だけでしたが、

2020年1月に、新たにロシア語、インドネシア語、スペイン語、ドイツ語、韓国語、タイ語の6言語が追加されました。

④宅配買取店舗の出店

これまでネットを経由した宅配買取しかしてこなかったが、

都内を中心に5つの買取店を出店する予定で、

さらなるユーザーの拡大を目指しています。


⑤「ブランディア」子会社化

2019年11月、中古品売買サイト「ブランディア」を運営するファクトスタンダードを

完全子会社化しました。

ブランディアはセカンドブランドと呼ばれる価格帯1000円以上1万円以下の市場で

20-40歳代の女性の支持を得てきました。

しかし、フリマアプリの攻勢により昨今は苦戦を強いられてきていました。

完全子会社化することで、リユース市場の需給関係を調整でき、

クロスボーダーで販売することで海外の高値販売が実現すれば、

日本での買い取り価格も高くなり

顧客ニーズを取り戻すことができるのでは、と見込みと勝算をもっての子会社化と

しています。


このように、多岐にわたる事業で、事業拡大も非常にスピーディなBEENOSグループ。

多くのECサイトがBEENOSグループ、Buyeeを高く評価していると言われています。

なぜなら、そこには不可能を可能にし、他社がやっていないことをやる、

強い精神性が企業の取り組みとして感じられるからです。


たとえば、前述の決済も、日本のECサイトでは、海外発行のカードは使えないところが多いですよね。やはり国境をまたいでの決済は不正が多いからです。

そんな不正リスクを解決するノウハウを開発しました。


配送に関しても、梱包でも“壊れづらい” ”軽い”工夫を凝らしています。

それに至るまで、何度も配送テストを行い、落下や、強打をしても

壊れないようなものになりました。


さまざまな失敗や経験からオペレーションが強化されていったように思えます。

ぜひ、みなさんもBEENOSグループの勢いに負けず劣らず

邁進していきましょう。


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