若きウェルテルの悩みについての感想

若きウェルテルの悩みはゲーテの代表作で、恋する純情青年ウェルテルは既婚者である魅力的な女性シャルロッテに片想いし、やがてその結ばれない恋からウェルテルが自殺をするといった物語です。

ここまでは、あらすじで私の感想を述べると。
序盤から中盤まではウェルテルの多感な心に共感していたけど、最後の自殺だけは共感できなかった。残されたシャルロッテとアルベルトの身になれば居た堪れないでしょう。
シャルロッテは優しくて真面目な女性なのでしょう。
そして、彼女はウェルテルを愛していたのでしょう。
もちろん、アルベルトのことも愛していたのでしょうが、ウェルテルにはどこか自分自身を重ねてた似た者同士だとも読んでいて思いました。
…結婚するならアルベルトみたいな冷静で理知的なタイプがいいと思いますが。

アルベルトが自殺に対して否定的な考えを持っていたのが共感できた。
私も自殺に対して否定的な考えを持ってるから、ウェルテルの最後はあまりにも身勝手だと感じました。

…と、まあ若きウェルテルの悩みはゲーテの実体験で。
初見からそういう気はしていたけど、やっぱり実体験でゲーテはウェルテルを死なすことで自分自身の失恋を立ち直ろうとした。三島由紀夫がいい意味でゲーテを『したたかな作家だ。』と言ったのが分かる気もします。確かに、ゲーテは自分自身の実体験を創作に生かすことで青春の危機を何度も乗り越えたのだから。

ダラダラと書いたけど、最後に。
「それに公爵はぼくの心よりも、ぼくの理知や才能のほうを高く評価しているんだが、このぼくの心こそはぼくの唯一の誇りなのであって、これこそいっさいの根源、すべての力、すべての幸福、それからすべての悲惨の根源なんだ。ぼくの知ってることなんか、誰にだって知ることのできるものなんだ。 _ ぼくの心、こいつはぼくだけが持っているものなのだ。」

#若きウェルテルの悩み #ゲーテ #書評