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緊急事態下のリーダーシップを考える

オミクロン株が猛威を振るい、新型コロナウイルスの爆発的感染が広がっている。デルタ株等と比較して、重症化リスクが低いといわれているものの、教職員や子どもの感染者が出た学校においては、臨時休校をするケースが増えてきた。

教育委員会や学校においては、相当判断に迷う事案等をたくさん抱えている。先の見えない、正解のないことについて判断・行動していくことは、とても難しいが、多面的・総合的に考え、最適解をださなければならない。

学校において最終的な判断を行うのは、校長先生である。コロナが少し落ち着いていた時、Zoomや対面で数名の校長先生とお話する機会があった。経験豊富なだけではなく、柔軟性も兼ね備えた先生方である。そこで、緊急事態下におけるリーダーシップの在り方について質問した。

それぞれの校長先生に共通していたことは、以下の3つである。

1つは、完璧ではなくスピード感をもった判断をすることである。

今は緊急事態下であり平時ではない、前例やルール、しがらみにとらわれず、行き過ぎた平等主義からの脱却を図ろうという姿勢がみられた。また、「やる」「やらない」という2項対立で考えるのではなく、「そもそも、やる必要があるのか」を考え、「やらなければないことを精選し、それを工夫して実行できないか」を短い時間で考えられていた。

2つめは、子どもを中心に据えて判断することである。

当たり前と言えば、そうかもしれないが、Aと判断した場合、子どもにとってどんなメリット・デメリットがあるかを教職員から聞き取り、教頭先生等と協議をして、総合的に判断されていた。ある校長先生は、先駆けてタブレットの貸し出し、休校中、毎日、Zoom等で健康観察、朝の会、ミニ授業、帰りの会を実施した。Wi-Fi環境のない家庭には、必要な機器を貸し出すなど、個別の対応を行った。タブレットを貸し出すことによるデメリットはたくさん出てくると思われたが、子どもたちの「学習保障」「つながり保障」「健康保障」を考えたとき、貸し出す方がベターと判断したそうである。

3つ目は、常に先を予測していることである。

ポスト・コロナ、アフター・コロナと言われていたが、当分の間はウィズ・コロナである。この先、休校になることを見越すと同時に、これまでの反省を踏まえながら、クロスカリキュラムを意識した教育課程の編成や子どもが学びに向かうような家庭学習の改善、オンライン授業のパッケージ化、地域や保護者への理解の周知等を着々と進めていた。

自分がその立場になったとき、参考にしたい話をたくさん聞くことができた。


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