生成AI需要で注目の半導体関連銘柄!日本株では半導体製造装置が圧倒的な強さを誇る
半導体関連銘柄は、生成AI需要を受けて2023年から最強テーマ株となっており、特に日本企業が強みを持つ半導体製造装置メーカーが強く買われています。
アメリカのGPU大手【NVDA】NVIDIAが世界時価総額トップになるなど、半導体関連銘柄は世界的に買われており、日本市場でも同様の展開となっています。
1.半導体関連銘柄とは?
半導体関連銘柄は、生成AI需要でNVIDIAが世界時価総額トップになるなど、マーケットで最も注目されているテーマ株です。
1-1.半導体関連銘柄とは?
半導体は、トランジスタや集積回路などで、スマホやパソコンをはじめ日常生活のありとあらゆる電化製品に使われている電子部品で、記憶や演算といったデジタル処理を行っています。
半導体のメイン市場である半導体メモリ市場では、日本企業の凋落は否めませんが、半導体製造装置や半導体材料、パワー半導体といった分野では日本企業は現在でも世界的です。
カナダのTechInsights社が発表した2023年の半導体製造装置企業のトップ15には、4位に【8035】東京エレクトロン、6位に【6857】アドバンテスト、8位に【7735】SCREENホールディングスなど、トップ15社のうち日本企業が7社を占めます。
半導体の主要材料であるシリコンウエハーでは、世界トップの【4063】信越化学工業と世界2位の【3436】SUMCOの2社で半分以上のシェアを占めています。
東証の半導体関連銘柄(半導体株)は、半導体製造装置や半導体材料などを手掛けている銘柄が中心です。
また半導体関連銘柄は、世界経済の景気動向を強く受ける景気敏感株(シクリカル銘柄)としても知られており、株価の先行指標になりやすい特徴もあります。
半導体関連銘柄に投資する・しないに関わらず、全体相場の先行きを占う上では、半導体関連銘柄の動向は必ずチェックしておきましょう。
1-2.半導体関連銘柄は生成AI需要で最強テーマ株に
半導体関連銘柄は、全体相場を先取りする動きをし続けています。
2020年から2021年に掛けての新型コロナ相場では、新型コロナ禍の半導体不足を背景に最強テーマ株の一角となり相場全体をけん引しました。
2021年11月から2022年に掛けては、米国利上げでハイテク株が売られる流れを受けて真っ先に売られ、半導体関連銘柄は2022年の調整相場を先導して大きく下落しました。
2023年以降は、ChatGPTなどの生成AIブームによる半導体需要を受けて、再び相場全体をけん引する最強テーマ株に再臨しています。
特に、世界の半導体関連銘柄をけん引しているのが、アメリカのGPU大手【NVDA】NVIDIAです。
NVIDIAは、AIに使われる半導体GPUを手掛けており、生成AIブームを受けて業績・株価ともに異次元の水準となっています。
NVIDIA株は、2024年6月18日には、Microsoft・Appleを抜き、ついに世界時価総額トップ企業となりました(その後の下落で再びトップ交代しています)。
日本を含む世界の半導体関連銘柄は、NVIDIA株の急騰で買い支えられている面も強いため、半導体関連銘柄を見る上ではNVIDIA株の動向は必ずチェックしておきましょう。
★注目ポイント・
日本株の半導体関連銘柄は、半導体製造装置や半導体材料を手掛ける銘柄を中心に押さえておこう。
・半導体関連銘柄は、全体相場に先駆けて株価が先行しやすい景気敏感株。
・半導体関連銘柄は、生成AI需要により2023年以降は最強テーマ株となっている。特に、【NVDA】NVIDIAの動向は要チェック。
詳しい銘柄情報は前回記事「2024年東証スタンダードトップテンバガー銘柄候補一覧」をご覧ください。 2023年のTOPIX基準株価動向(後編)と2024年の注目テーマ銘柄を紹介
2.半導体関連銘柄が上昇する理由と過去に上がった銘柄
半導体関連銘柄について、生成AIブームとなっている2023年から2024年に掛けての動向を見ていきましょう。
2-1.半導体関連銘柄の主要銘柄!【6920】レーザーテックなど
半導体関連銘柄の主要銘柄について、直近1年間(2023年6月~2024年6月)の最大上昇率は次のようになっています。
・【8035】東京エレクトロン:2.12倍(19,205円→40,860円)
・【6857】アドバンテスト:2.13倍(3,500円→7,456円)
・【6920】レーザーテック:2.34倍(19,410円→45,500円)
・【6146】ディスコ:3.33倍(19,830円→66,100円)
・【7735】SCREENホールディングス:2.99倍(6,832.5円→20,440円)
※上昇率は2023年6月以降の安値から2024年6月21日までの高値の値。
上記5銘柄は、いずれも半導体製造装置を手掛ける半導体関連銘柄です。
主要銘柄であっても直近1年で2~3倍となっており、いかに半導体関連銘柄が強いかが分かります。
2-2.特に強い半導体関連銘柄!【6315】TOWAなど
半導体関連銘柄の中でも、特に強かった銘柄は次の通りです。
・【6254】野村マイクロ・サイエンス:4.70倍(1,355円→6,370円)
・【6871】日本マイクロニクス:5.25倍(1,700円→8,940円)
・【6315】TOWA:6.24倍(2,333円→14,560円)
※上昇率は2023年6月以降の安値から2024年6月21日までの高値の値。
特に、樹脂封止装置を手掛ける半導体製造装置企業の【6315】TOWAの強さが目立ちました。
なお、2022年10月に上場して以降人気銘柄となっている【6526】ソシオネクストは、直近1年間は2023年6月に高値を付けて以降は乱高下となっています。
★注目ポイント・
2023年以降の半導体関連銘柄は、生成AI需要も背景に多くの銘柄が2~3倍以上となるなど、最強テーマ株となっている。
・特に、日本企業が世界的影響力を持つ半導体製造装置メーカーの強さが目立つ。
3.半導体関連銘柄リスト
半導体関連銘柄といっても製造、販売、開発など、様々な企業が関連銘柄として上げられます。
その中でも注目したい10銘柄をピックアップ。
4.オススメの半導体関連銘柄3選!
生成AIブームでも注目される、オススメの半導体関連銘柄を3銘柄見ていきましょう。
【8035】東京エレクトロン
東京エレクトロンは、世界4位の半導体製造装置企業であり、日本株を代表する半導体関連銘柄です。最も代表的な半導体株であり、日経平均株価にも影響を与える銘柄です。
全体相場の先行きを占う上でも重要な銘柄であるため、投資する・しないに関わらずチェックしておきましょう。
【6920】レーザーテック
レーザーテックは、マスクブランクス検査装置という半導体製造装置のグローバルニッチに強みを持ち、長期投資家からデイトレーダーまであらゆる市場参加者に人気の半導体関連銘柄です。
上場した2012年3月(210.5円)から2024年5月(45,550円)までで最大216倍の上昇率となっている東証屈指の成長株です。
2022年以降は大きく売られていましたが、2023年12月からは上場来高値を再び更新しています。
【6526】ソシオネクスト
ソシオネクストは、2022年10月に新規上場した半導体関連銘柄で、人気銘柄となっています。2023年6月に高値を付けて以降は乱高下となっており、直近1年ではマイナスです。
この1年はデイトレーダーやスイングトレーダー向けの銘柄となっていましたが、そろそろ長期チャートで上に向かい始めてもおかしくありません。
5.まとめ
半導体関連銘柄は、生成AI需要が急増している2023年以降、再び最強テーマ株となっています。
半導体関連銘柄は全体相場をけん引する最重要テーマ株であるため、投資する・しないに関わらず、【8035】東京エレクトロンや【6857】アドバンテスト、【6920】レーザーテックといった主要銘柄の動向は必ず押さえておきましょう。
2023年以降の半導体関連銘柄は、NVIDIA株の上昇に引っ張られている部分も大きく、NVIDIAはさすがにバブルも指摘されている点には注意が必要です。
半導体関連銘柄は2023年から2024年に掛けて最強テーマ株ではありますが、2022年米国利上げでは真っ先に下落するなど、下落においても相場を先導する傾向があります。
生成AIやNVIDIA株の動向についてはアンテナを張っておき、半導体関連銘柄の動向は要チェックしておきましょう。