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詩: 『階段』

のぼる階段
おりる階段
りんご一つ分の高さ
枕一つ分の広さ

白く透き通り
朝陽に夕陽に
星に月に
光に乱反射する

触れる足下
細かい粒が跳ねる
輝きの破片
宙に舞う

上は下
下は上
のぼって
おりて
まわって

前は後ろ
後ろは前
すすんで
もどって
いって
かえって

森の中
草の間
花の周り
蜂に挨拶

山の中
木々の間
岩の上
狼と頷きあう

空の中
雲の間
風の隣
鳥と握手

海の中
サンゴ礁の間
海草のそば
魚と躍る

密林も砂漠も
洞窟も草原も
国も街も家も
畑も道も川も

どこにだって

雪の結晶の中
毛布の中
家のずっと地下
泡の中
息吹を閉じ込めたビン
虹の中

見えないとこにも

続く階段
歩くたびに
色付き消える
光の煌き
跡に残る

白く透明な
澄んだ階段

どこまでも広がり

踏み出す瞬間
生まれる

足先に現れる
存在の現出

自由自在

私のいるところ
私の歩むところ

想像と創造
認知と受諾

その瞬間
同時に現れる

見える時も
見えない時も

生まれている

階段を造る
躍り煌く歩み

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