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スピリチュアル研究所

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アリスベイリーやシュタイナーの言葉でインスパイアされたもの、自分の実践や体験から考えたことなどを書いています。
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記事一覧

天使と悪魔と復活祭

楽園追放 アダムとイブはエデンの園から追い出された。 それは、「お前も神のような知恵を得られるぞ」と、ルシファー扮する蛇の言葉に知性が刺激されたからだ。 神が「この樹の実を食べてはならぬ」と命じた知恵の実を食べることは、絶対的な命令に背いたことになる。 神の怒りを買い、楽園からアダムとイブは追放される。 そして地に落ちることで、楽園には無かった苦しみ、悲しみ、病気や死までも引き受けることになった。 これだけ読めば悲劇的な物語だが、それによって、人間には独自の知性と自

外界の支柱がすべて倒れる時

「魂は自分自身を発見し、内なる統治者を頼りにすることを学びつつある。 外界のすべての支柱が倒れ、見せかけの様々な権威が差し出す解決法がすべて異なるとき、魂は自分自身へと立ち戻り、内側に探し求めることを学ぶ」 (『ホワイトマジック(上)』アリス・ベイリー著) 私の中では2011年3月11日に、外界の支柱はすべて倒れた。 外は暗闇の中、自分の内側の光を見つけるほかに術がなかった。 それで大丈夫なのか?と自分の半分は思っていたが、 それが正しかったと今なら言うことができる。 コ

思考と意志と魔術

「しかし、黒魔術と白魔術の違いが生じるのがこの思考の領域であるということも覚えておくべきである。魔術の二つの様相が働いているのを見ることができるのは、思考力を使っている時である。したがって、人がマインドの領域に到達しないうちは、本質的には黒魔術は存在しないというのは真実である」 (『秘教心理学(上)』アリス・ベイリー著) 先日、近代の魔術師・アレイスター・クロウリーがNHKの番組で取り上げられていた。そこでコメンテーターのお二人が「魔術って普段私たちもやってるんですよ」的な

白魔術と瞑想

白魔術とは、自己利益のためではなく、世界のための魔術である。そして魔術とは意図したことを現実化することである。黒魔術とは、自己利益のための魔術であり、他者を蹴落とし分断を招くものである。 「白魔術師は自分の魂と接触している者である」 (『ホワイトマジック』アリス・ベイリー著 *以下WM) 白魔術師は霊的次元から物質界へと働きかける。そのための訓練は長きにわたる何度もの転生の間、続けられる。そしてすべての人間は白魔術師になっていくことが、宇宙の愛により保証されているのである

魂の呼吸

「この瞑想(魂の瞑想*)は、宇宙に含まれるすべてのものがそうであるように、リズミカルで周期的な性質のものである。魂が呼吸し、その形態はそれによって生命を得る」 *前の記事参照 「太陽天使は深い瞑想状態にある」 「「霊的存在に立脚」できるよう自らを強化安定させなければならないため、より大きな刺激と努力に備えて一時的な静止の時期を過ごしているのか、それとも、フォースの周期的な流入を受けているのか。この場合、働き手はエネルギーの方向付けと活用を手助けするよう努めなければならない」

光の見えない道で光を見つけるには

「人は進歩するにつれて、ますます精妙な識別に直面するということに疑問の余地はない。幼い魂の場合の正しいか間違っているかという大まかな識別が、正しいかより正しいか、あるいは、高位であるかより高位であるかといったより微妙な区別に変わり、倫理的つまり霊的な価値観が極めて精細な霊的知覚によって測らなければならなくなる」 (『ホワイトマジック』アリス・ベイリー著より) 生きるとは、日々、何かを選択することの連続だ。簡単に選択できる場合もあれば、難しい選択に直面することもある。 そん

高次の世界を認識するには「思考」が重要である

毎週読んでいる『ホワイトマジック』の規定2の中では、マナス(マインド、メンタル)のはたらきについて、いろいろと述べられているので、マナスについて、取り上げてみます。 「マナス、つまりマナス原理: 文字通り、マインド、メンタル機能、人間を単なる動物と違うものにするもの。それは個別化を引き起こす原理であり、自らが存在し、感じ、知っていることを人間が知ることを可能にする。それはいくつかの学派において二つの部分、高位マインドつまり抽象マインドと低位マインドつまり具体マインドに分けら

アストラル体の研究

人間存在は肉体という物質体からできているのみならず、様々なエネルギーから成り立っている。 主に物質界の存在としての人間をつくっているのは、肉体、エーテル体(活力体、生命体)、アストラル体(情緒体、欲求体)、低位メンタル体(思考体、具体マインド)である。片や、魂として霊的につながる層としては、高位メンタル体=コーザル体が魂の体として存在する。 中でも、アストラル体は現在の人類の意識が、もっとも集中しているところになる。 病の原因も、人間社会の不安定さも、このアストラル体に

光の源につながる糸

「「正義の道は輝く光のようである」。 しかし、同時に人は道そのものにならなければならない。彼は光の中に入り、光になり、そのとき暗い場所に置かれたランプのような役目を果たし、他の人々にイルミネーションをもたらし、彼らの前途を照らし出す」 (『ホワイトマジック』アリス・ベイリー著) 霊的な直観を得たものを、現実化していくうえでは、多くの障害が存在しています。それにより、せっかく得た、善き直観は、自分の感情や欲望の海の渦巻きの中に飲み込まれ消えて行ってしまいます。 そうならない

自己成長とチャクラの目覚め

「私たち一人一人は一定の装備ーつまり、過去生の努力と経験の産物ーを携えて人生の入ってくる。その装備にはいくつかの欠陥や欠点があり、その性質のバランスがとれていることは滅多にない。あまりのも知的な人もいれば、あまりいもサイキック的な人もいる。また、主に物質的な人もいれば、あまりにも神秘主義的な人もいる。自らの動物的な性質に集中し、人生観が完全に物質的な人もいれば、空想的で肉の罪から免れている人もいる。人々の多様性は無限であるが、各人生にはその人の性質のエネルギーすべてが向けられ

アストラル界に溺れることなく自分を見つける

「開かれた目によって最初はっきりと見るアストラル界の外観は、濃い霧、混乱、変幻する形態、互いに浸透し混ざり合った色彩であり、どうすることもできないように思われる万華鏡の観がする」 (『ホワイトマジック』アリス・ベイリー著より) ホワイトマジックの最初の6つの章はメンタル界についての話で、ここから5章はアストラル界について扱っている。 アストラル界とは、感情や欲求のある階層であり、そこに反応するのが自分のアストラル体(感情体・情緒体・欲求体などという)である。多くの人の意識

スピリチュアルな道と動機の純粋性

「オカルトの道に入りつつある人は、与えられた体を出発点にするが、転生している間により新しくよりよい体を自分で築いていく。 進歩すればするほど、より意識的に働くようになるため、オカルト的な人生の初心者には絶えず混乱が起こり、不健康になることが多いのである。 彼は法則を感知し、自分の基調を高める必要性を理解する。そのため、最初のうちはしばしば過ちを犯すことになる。 彼は内から外へと働きかけるのではなく、食事や訓練によって、自分の肉体を新たなものにすることから始める。しかしこ

直観したことを歪めずに現実化するには

「創造者は自分が建設者であって、建設されたものではないということを知らなければならない」 「創造的な建設、遂行、その後の崩壊という、こうした周期をよく研究して欲しい。これらの周期は太陽系にも、人間にも、創造的な思考者がつくる想念形態にもあてはまる。すべての美の秘訣はこれらの周期の正しい働きにある。物質界におけるあらゆる成功の秘訣は法則と順序を正しく理解することにある。熱誠家にとっての努力目標は、メンタル質料で正しく形態を支配し、しっかりとした考えをもってそれを用いることが自ら

魔術とその修行

人間とはみんなが魔術師になれるポテンシャルを持っています。ここでいう魔術とは「意図したものを現実化すること」です。 神が様々なものをつくりあげた大魔術師であるとすれば、人間も現実をつくる創造者です。そして、どういう現実をつくるかが、白魔術なのか、黒魔術なのかの違いとなります。 黒魔術師は利己的な意図を持って働くものであり、白魔術師はグループ全体の善のために愛と叡智をもって働きます。 人間はそもそも、物質界の質料をまとっていることで、黒魔術に巻き込まれるリスクを負って地上