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ワイは蚊を殺せない

最近思うのが、虫とやりとりできたらどれだけ楽だろうということだ。

今、ワイのチャリに黒ベースに蛍光色の入った蜘蛛が住んでいる。先週、チャリに乗って家を出発してから、蜘蛛の巣の存在に気づいた。あとで掃おうと思いつつ用事を終え家に着いた。そのとき、足元にもっと立派な蜘蛛の巣の存在に気づいた。なんと住人がいたのである。なんかせっかく作った家を壊すのも申し訳ないし、雨もひどかったので梅雨の期間だけ放置することにした。昨日、自転車に乗ろうとするともっと立派な巣になっていた。「いやちょっと空気読んでどっか行ってくれると思ってたーーまじかーー。梅雨明けまでやからな?!頼むでな?!」と念力を送り、徒歩で目的地に向かった。

ゴキブリはたまに室内に突如現れる。なんかあちらも焦ってらっしゃるのかわからんが、すごいスピードで室内を走り回る。その時にいつも思う。

「いや、あなたが一回でてくるから気になるねん、できることなら現れないでくれ。現れへんかったらこっちはあなたの存在に気づかずに過ごすことができる。なんなら私はあなたのことは殺したくないからでてこないで。もしでてこんかったらこっちも殺さんでいいし、あなたも殺されない。だからお互い平穏に過ごせるじゃないかと。」

夏に出現するのが蚊である。あいつはワイの血を吸い、生きている。なんと変態な虫なんだろう。かまれるとかゆいが、ワイは蚊を殺せない。なんならいつも自分の腕に泊まる蚊を見守っている。どうせ誰かに気づかれて殺されるくらいならワイの血吸ってええよというテンションである。しかし厄介なのが、あいつらが発するあの高音である。寝ている時に耳元に出現しやがって目が覚める。去年、あいつと3日戦った。耳元に近づくあいつに対して、ワイがしたことと言えばどっかいきなはれと手ではらうくらいだが、いきなり机の下でへなへなと倒れたあいつを見てなんか悲しくなった。

もし会話ができるのならば、「夜に出現するなら足を吸ってくれればいいよ、こっちも起きないしあなたも平穏に血を吸えるだろうから。変に耳元に来るからいちいち気になるんよ。おっけーわかった?」と言いたい。それにしても、あの「ん---」っていう音は蚊にとってはめっちゃ不利な要素なんじゃなかろうか。あれさえなければ私らも気づかないのにあれがあるから気づかれ、そしてまたあいつは手でぱちんといかれてしまう。

さて、こんな話をしていると「殺さないのえらいね、優しいね」と言ってもらえる。そのたびにそうではないと思う。目の前の虫を殺してしまった事実を受け止められないだけである。

受け止められないから殺さない、のならいいのだが、自分はなんだかんだ、室内にはゴキブリのおくだけなんちゃらってやつ置いてるし、室内で飛んでる蚊に対しては自分でしばくことなく、スプレーを使っている。ほんとうに優しい人間は出現したゴキブリと共に共存するだろうし、蚊が耳元で飛んでいてもあら飛んでるじゃないの。というくらいのテンションで見守るのだろう。

ワイは一番たちが悪い人間な気がする。結局殺しているのに、道具を使っているから自分は殺していないと道具に責任転嫁をしているだけなのだ。目に見えないことを良いことに、どこかで死んでいるはずのやつらに対して目を向けずに過ごしている。結局殺してしまうのなら自らの手で殺したという現実を受け止めて、「ごめんよ・・」って思った方がいい。

チベットの人は蚊を殺さないらしい。「おじいちゃんおばあちゃんが蚊の姿となって現れてくれてるかもしれないじゃないか」というそうだ。

もし蚊と会話できたら、もしおじいちゃんなら「あらあなたおじいちゃんなん久しぶり!」って言えるし、おじいちゃんじゃなくてもほどよい距離感を取って共存できるだろう。なんかでも会話できてもうたら結局、仲良くなってもうて死を受け止めきれない気がする(うっとうしい蚊なら知らんが)。

んー、でもやっぱり虫とやりとりできたらいいのになあ。


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1998年の早生まれ。兵庫県尼崎市在住。京都の大学院生。

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