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桑の実消費のあれこれと、自分のことすら知らないことと

 庭の桑の実がまだ取り終わらない。最初に二キロ採ってジャムにし、さらに二キロ採って冷凍し、その後ケーキに入れたり友達に持って行ってもらったり、あまりに実が成りすぎて枝が地面に擦ってしまうので何本か枝先を実ごとざっくり切ったりしたのに、まだ熟した実、熟す途中の実が成っている。

 ケーキは、最初パウンドケーキに入れて、その後ベイクドチーズケーキに入れた。

 パウンドケーキのレシピはネットで観た、バター70g、砂糖70gをよくすりまぜたのち、卵二個、粉150g、BP、ブルーベリーを混ぜて焼くというレシピを生の桑の実にしてみた。桑の実を混ぜると、一瞬生地が赤紫になり、そのあと時間を追うごとに青紫系の色に変わった。生地そのものがアルカリ性で、桑の実がそれに反応して変色したのだろうか。調べてみたら、卵白がアルカリ性らしい。チーズケーキをはさんで、二台目を作った時に、あまり変色しないようにレモン汁を入れてみたのだけれど、やっぱり焼く時に表面は青紫色になってしまった。洗う直前のボウルに残った生地の色なんて、ほぼ灰色だった。

 チーズケーキはクリームチーズの箱に載っているレシピに、少量の砂糖を加えて煮詰めた桑の実(生の状態でおそらく200g程度)をまぜたのだけれど、これはパウンドケーキよりうまくいった。桑の実は、ベリー系の香りと甘みがあるのだけれど、ラズベリーなどより酸味も甘みも角がなくてあっさりしているので、単体でお菓子に使うと少し物足りない感じがする。といって、合いそうなスパイスがあまり思いつかない。二台目のパウンドケーキはチョコと一緒に焼いてみた。焼き上がりのにおいからすると、チョコと桑の実は合いそう。明日味見してみるけど、どう出るかな。


 消費に困って、今年はクワ酒も作ってみた。

 ネットを漁ると、桑の実と砂糖を混ぜて発酵させる酒のレシピも出ていたが、果物を発酵させてアルコール度数1%以上の酒を作ってしまうのは違法なはずである。ちなみに、ぶどうに至ってはホワイトリカーに漬けるのすらNGだったと思う。うちにはミードを仕込む用のハーフガロン瓶なんかもあるわけだけれど(もちろんアルコール度数1%未満のミードですよ!!!)、私は大人しく桑の実のホワイトリカー漬けのレシピでやってみた。

 漬けて二日後の酒の色。綺麗。

クックパッドだと、桑をもっと入れて、レモンは加えないレシピなど色々あったけれど、
このレシピはレモンが入っているがゆえに、明るい赤紫色で素敵だと思う。
実やレモンはいつ取り出せばいいのかなあ。
半量で作ったので瓶の空白が多くて、もっとジャストサイズの瓶にしないと
衛生的に心配でもある。移し替えようかなあ。


 この時のレモンの皮が余ったので、皮を刻んでスパイスをまぜ、クラフトコーラも作った。ふと思いついて、第二弾として、レモンの代わりに桑の実、砂糖、シナモン、カルダモン、クローブで煮込んだ桑の実コーラのシロップも作ってみた。チェリーコーラみたいにならないかなあと思って。原液を味見してみたら、濃厚なベリーの甘味があるのにコーラっぽくもある不思議な味だった。もっとチェリーコーラっぽくしたいなら、ラムとか入れるといいのかもしれない。

 ところで、クワ酒だけれど、滋賀県に桑の葉を発酵させてつくる桑酒を作っている酒蔵があるそうだ。

 今年は桑の葉を使って桑茶を作ろうとも思っているので、この桑酒もタイミングを見て買って飲んでみたいなーと思う。


 ところで、桑の実収穫体験を姪にもさせてあげようと思って妹を呼んで少し話をする機会があったのだけれど、皆でお菓子タイムにした時、うちの子供たちが出してきたグミに妹は少し驚いていた。妹はそこまでグミが好きではないらしいことを、何十年姉妹やっているのに初めて知ったのだった。

 また、妹は私に「お姉ちゃんは昔からグミ好きだったもんね」と言ったのだけれど、私は他者からグミ好きだと認識されるほど、自分がグミ好きだとも思っていなかった。そして私は、妹はどんなお菓子が好きなのか、いまいち把握していないのだった。たとえば、妹は十代の頃からシフォンケーキをよく作るけれど、それはシフォンケーキの作り方に慣れているからであって、妹がシフォンケーキを好きだから作っているとは全く思っていなかったというように、他者が何を好きか嫌いかというようなこと、感情が認識できていないのだ。でも、シフォンケーキを良く作るという事実については認識できているので、対応はそこまで間違えない、というような。

 このことは子供の学校ではじめたボランティアの長の仕事でも発揮されているなと思っていて、私はそういう自分の傾向をよくよく把握して、たとえ他者を駒感覚で捉えることと同義になろうとも、他者ともっと関わり、うまく動かそうとする能力を十代のうちから発揮すべきだったし、自分にはその能力があるということを認識すべきだった、ということを思ったり思わなかったりしたのだった。

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