【試合評】則本4年連続、島内プロ初の大仕事~2016年8月6日○楽天イーグルス7-5西武

終わってみれば投打の活躍。終盤ヒヤヒヤも逃げ切り勝利

球団史上初の西武戦年間勝ち越しを狙う楽天が、エース則本の4年連続二桁勝利、1番・島内によるプロ初の満塁本塁打、投打の活躍で勝利をもぎ取った。

中6日で先発登板した則本は、初回いきなりの2失点。33球を費やし3四球1安打と微妙な制球に苦しんだ。

1イニング3四球以上を出したのは、2013年4月12日西武戦の5回3四球、2014年7月11日ロッテ戦の3回3四球に続くプロでも3度目の珍事。1死満塁で5番・浅村、ボール球を投げることができないフルカウント勝負で浅村に右犠飛を打ち返され、右翼ペゲーロからのダイレクトの本塁ワンバウンド送球が本塁後方に逸れ(嶋も取って欲しかった)、2塁走者の生還も許してしまう気まずい2失点のスタートになった。

しかし、直後の1回裏、楽天もすぐさま2得点。則本に立ち直りのきっかけを与える同点劇を演出した。

1死後、2番・茂木からの長短3連打は、西武先発・十亀の球を芯で補足する、いずれもクリティカルヒット。茂木は故障復帰後の初安打が二塁打になった。痛烈なひっぱりライナーが一塁手・山川のグラブを弾き、後方のファウルゾーンへと転がる隙に好走塁で2塁に到達。3番・ペゲーロの初球打ちは三遊間を襲う強烈なゴロ、遊撃手・鬼崎の1回転ダイビングキャッチで外野に達するのは阻止されたが、1死3,1塁と好機を広げた。

お膳立て整って4番・ウィーラー。直近5試合の打率が実に.533、後半戦に入ってホームランを5本量産するハッスルボーイがボール先行からのスライダーを一閃、低弾道のラインドライヴが左翼フェンスに突き刺すタイムリー二塁打になる。なおも1死3,2塁で5番・今江がしっかり右犠飛を打ち返して同点。制球の甘い十亀を咎める会心の攻撃で、エースのつまずきをすぐさま帳消しにする同点劇を作った。(楽2-2西)

両軍のスタメン

西武=1番・金子侑(右)、2番・秋山(中)、3番・森(指)、4番・山川(一)、5番・浅村(二)、6番・栗山(左)、7番・渡辺直(三)、8番・鬼崎(遊)、9番・岡田(捕)、先発・十亀(右投)

楽天=1番・島内(中)、2番・茂木(遊)、3番・ペゲーロ(右)、4番・ウィーラー(左)、5番・今江(三)、6番・銀次(一)、7番・アマダー(指)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・則本(右投)

送りバント失敗をリカバーする嶋四球、そして島内大仕事へ

2-2の同点になった試合展開は、その後しばらく両軍ゼロが続く。2回以降の則本は完全に立ち直り、マウンドを支配し始めた。2回3回と三者凡退。4回は先頭・浅村に安打出塁されたが、後続を退けて1塁走者の二進を許さない。

楽天打線は2回3回といずれも走者の出塁に成功したが、相手好守やあと1本が出ずに無得点に終わっていた。

その中、ゲームが決定的に動いたのは4回裏、6番・銀次から始まる楽天の攻撃だった。

銀次初球安打、7番・アマダーが選球眼を発揮しての四球で無死2,1塁の好機を作った楽天は8番・藤田のバントを指示。しかし、捕手・岡田の機敏処理に遭い、捕バゴの3塁封殺で送りバント失敗に終わってしまう。これで走者2,1塁の真のバント成功率は、あまりにもバント作戦が機能しなかった昨年の50.0%に近づく52.9%になってしまった。

しかし、このミスを9番・嶋がリカバーする。.100超えの高いIsoD、P/PA4.22という粘りの待球姿勢、この持ち味を発揮し、フルカウント6球勝負を見切って四球出塁。この6球勝負の中には際どい誘い球に出かかったバットを必死で止めにいく姿もあり、キャプテンマークの集中力を見た。

そして1死満塁、1番・島内による一世一代の大仕事だ。

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