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【プロ野球】オープン戦8連勝。三木楽天が手中にした「スポーツ紙が報じない最大戦果」とは?

OP戦8連勝。浸透する三木ID野球

日曜日に今季最多13安打を記録したイヌワシ打線。原巨人を7-3で降し、8連勝でオープン戦を駆け抜けた。西武、若鷹軍団、阪神に惜しくも鼻差で抜かれ、順位こそ4位だが、練習試合を含む今年の対外戦は終始、豊作になった。

野村ID野球を継承し、バッテリーを中心とした守りの野球を土台にする三木楽天。「状況判断の力を養う。準備をして、予測をして、その中で決断を求めていく」という指揮官の野球観は、確実にナインに浸透している。

それを先導するのが、昨年ファームで監督と濃密な時間を共にした山崎幹、小郷の三木チルドレン。

3/15巨人戦で3安打直後の4打席目で手堅く犠打を決めた山崎幹は「三木監督のもとでプレーすることで、目指す野球のイメージはキャンプの時からしっかり頭の中にあった」と視野の共有に自信をみせる。3/13巨人戦でスクイズを決めた小郷も同様の趣旨を口にした。

前監督が問題解決できず、三木監督に託された犠打、盗塁の精度案件。これも今回手ごたえを得ることができた。

2年連続で7割未達、昨年69.9%と低かった真のバント成功率は、今オープン戦83.3%。昨年12球団ワースト55.8%に終わった盗塁成功率も今回65.0%と上向きに転じたのは、三木野球の浸透度を測る絶好の物差しだろう。盗塁後の走者による本塁生還率も昨年39.6%→今年53.8%と、チーム全体で足を絡めた攻撃を実践できつつある。

とりわけ、6盗塁でオープン戦の盗塁王に輝いた辰己の成長は著しい。昨年は13盗塁・成功率81.3%ながらも、チーム最多3度の牽制死もあったトリプルスリー候補。才能だけで走っている印象も受けたが、三木監督の薫陶を受けた今年は失敗なし・牽制死ゼロだ。3/13巨人戦では強肩の小林から二盗を決め、小林の2塁悪送球を誘って一気に三進する場面もあった。

◎辰己涼介 盗塁成績

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鮮烈に焼き付いたコブクロの潜在能力

想像以上だったのは、コブクロの活躍劇だ。

早晩、春季教育リーグに行きでは?と予想した僕の見立てを覆し、黒川はオープン戦最終日までみごと1軍完走した。

驚かされたのは、3/13巨人戦で披露した右翼線二塁打。元楽天・古川が内角狙いで内角に投げ切った145キロ速球に球威負けしない力強いスイングで応戦し、解説・中畑清さんも仰天。3/15巨人戦では昨年終盤に抑えで活躍し8セーブを挙げたデラロサの──高校時代には対戦できなかったタイプだ──パワフルな投球を右前へ運んでみせている。

そして小深田だ。ここまでやるとは! 

大阪ガスの先輩・阪神の近本よりも小柄の168cm。小深田本人も認める「近本>小深田」のパンチ力。しかしどうして対外戦67打席で長打8本!と、本題に入る前に1,000文字も費やしてしまったので、本題に入りたい。

メディアが報じない、例年と決定的に異なる部分

投手陣の防御率2.57はオープン戦2位など、その他にも書きたいVへの吉兆がたくさんあるなか、僕が終始気にしながら定点観測した吉兆は、やっぱりコレになる。

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