【試合感想文】 8/19ロッテ5-7楽天:ここで島内と小深田得意芸。CSへ望みをつなぐ逆転勝利!
8回は理想の攻略
この日5勝目をあげた渡辺翔太が1点ビハインドの8回に登板したとき、PayPayドームでは3位・ソフトバンクが3-2で5位・西武をくだしていた。
だからもしあのまま負けていたら、3位とのゲーム差は5.5になっていたところ。ほんと負けられないゲームを、よくぞ!ひっくり返してくれた!
帰ってきた島内宏明が「ここで島内」とばかりに同点二塁打を流し打ったことも嬉しかったし、小深田大翔がお得意のファストボール撃ちのスキルをここぞ!で発揮してくれた場面もニンマリ。
結果球はペルドモの153キロだった。これでコブの150キロ超撃ちの打撃成績は、29安打9安打、2二塁打、1三塁打、6三振、6四球、打率.310になっている。
3者連続タイムリーになった島内、小深田、辰己の長短3本は、ゴロ率が50%を超えてくるパリーグ屈指のグラウンドボーラーから、打球にしっかりした角度をつけて外野へ弾き返した点でも評価できる。たまたま内野守備網の間をゴロが抜けていったというコースヒットではなく、相手の持ち味を完全に消す理想の攻略劇になった。
藤岡裕大、痛恨のエラー
いっぽう、ロッテには手痛い敗戦になっている。
8回の逆転3点劇は、先頭・岡島豪郎のショート正面のハーフライナーを藤岡裕大が落球するエラーから始まった。
そういえば、2週間前の楽天モバイルパークでも僕ら似たような光景を目撃したばかりだった。
楽天が1点を追いかける6回の攻撃だった。
1死1塁で辰己涼介は投ゴ。
嗚呼、完全な1-6-3の併殺コースか…と思われたが、2塁ベースカバーに入った藤岡が捕球ミス。いちおうカバーに入っていたセカンド中村奨吾も、まさかエラーするとは思っていなかったのか、藤岡がこぼした球が中前へ転々と抜けるのをただ見ているだけで(不動の二塁手)、楽天は一気に1死3,2塁の好機をえた。
その後、西川遥輝の同点犠飛、翌7回に鈴木大地が勝ち越しの決勝打。NPBタイ記録の形勢7転シーソーゲームをイーグルスが7-6で制する今季ベストゲーム候補の1つになった。あのときの敗戦投手も、本戦と同じペルドモだった。
今季の藤岡は友杉篤輝との併用がコンディション良好につながっているのだろう。出場機会こそ少ないものの、出塁率.401はキャリアハイをマーク。遊撃守備もセイバー指標ではプラスがつくほど、良いシーズンを過ごしている。実際、エラーも4個と少ない。
しかし、その4個中2個が楽天戦だ。試合の戦況を左右する重大インシデントになってしまったところに、吉井理人監督は頭を抱えているはずだ。
辰己涼介、今季初の2試合連続複数安打
8回の逆転劇の前、7回に1点を返し、M5-4Eと1点差に肉薄できたところも、かなりのポイントになった。
お膳立てをしたのは先頭の1番・辰己。
東條大樹は右サイド。左打者にとって変則右腕は球筋が見やすいとされる有利な状況をしっかり生かし、147キロのハイボールを応戦して左中間真っ二つに破る好走塁のスリーベースを放った。
1打席目、5打席目もヒットを記録して今季3度目の猛打賞。
前日は2安打で、2試合連続の複数安打はじつは今シーズン初だった。
辰己の月間OPSを確認すると、3・4月.577、5月.459と低迷。
しかし6月に入ると.757と復調し、7月.857、8月.853と絶好調だ。
今月は打撃の基本・・・(続く)
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