【2019総括】 辛島航 ── 首脳陣の起用法に支えられた「自己最多の9勝」

楽天主要選手の2019年を『文字数1,600字』で総括する9回目。

5/31千賀との対決を制した圧巻の低め投球

今年も最速141キロながら、最遅は92キロ。緩急を駆使し、打者を欺く投球術に長ける鷲の技巧派左腕。「打席に立ったときの《体感で感じる速さ》に特徴がある」と評したのは、現役で敵だった頃の小谷野コーチだった。

僕が舌を巻くのは、例年変化球の約6割を低めに集めてくる丁寧な仕事ぶりだ。千賀との投げ合いをHQSで制した5/31では7割を突破。徹底して低めにコントロールした変化球でアウト12個を獲得した。その巧みな投球術は、力で押すタイプではない渡邊佑、弓削、鈴木翔ら、楽天の次世代サウスポーの「良き手本」になっていくはずだ。

首脳陣の起用に支えられ、自己最多9勝をマーク

そんな技巧派も全盛期を終え、現在は選手生命の秋へと向かう道程にいる。その証拠にQS率は2016年の53.8%を頂点に47.4%→40.9%→今年33.3%、年々ジリ貧の事実があった。

リーグ環境が打高へ傾くなか、長打を警戒するため、とくにここ2年はフルカウントまでもつれるケースが増え、球数もかさんでいる。そんな事情もQS率低下の原因になっている。

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年齢も三十路を目前に迎え、規定投球回をクリアしながらQS率50%超を記録した2014年みたいな活躍は正直、計算しにくい。そういう厳しい状況下、、、

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