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【戦評】 20安打14失点投壊も、未来に照準を定めたエースの“したたか投球”~3月16日●楽天4-12阪神

今季初の3連敗は20安打12失点の大敗に...

イーグルスは今週月曜日に静岡入りしてから、元気がない。

3/13(月)、3/14(火)DeNA戦を立て続けに落とすと、本日阪神戦にも20安打と打ち込まれ、4-12と大敗を喫して3連敗。
日曜日まで5ゲームを戦う「静岡シリーズ」の負け越しが、早々に決まった。

これで対外戦18試合を終えて、1試合5失点以上は72%の13ゲームである。

◎対外戦における失点ヒストグラム

参考までに、過去2年の数値を記しておく。

2016年・・・23試合中7試合(30%)
2017年・・・29試合中11試合(38%)

今年は大量失点ゲームがとんでもなく多いことがわかる。
オープン戦のチーム防御率4.60はセパ12球団ワーストになった。

開幕前の対外戦は、1軍実績に乏しい若手に数多くの機会が与えられる。
レギュラーが確約された主戦級は自らあえて高いハードルを課しての「縛りプレイ」を試みることもしばしばだ。

そのため、シーズン入ればこんなことはなくなるはず。

それでも...
信頼を置くエースが中盤に崩れて6回9安打4失点。
ここまで5戦6回無失点と目覚ましかった台湾エクスプレスも、阪神打線に1イニングのサイクル安打を許す8安打8失点と炎上すると、じわじわ不安もしのびよってくるのだ。

この3連敗は、草薙野球場を覆い尽くした暗雲垂れ込める曇天のように、ぼくらファンの心模様をヤキモキさせる黒星になった。

これで対外戦成績は8勝9敗1分、NPBとの対外戦は6勝9敗、オープン戦成績は6勝4敗(4位)になった。

両軍のスタメン

阪神=1番・上本(二)、2番・糸原(遊)、3番・高山(中)、4番・陽川(一)、5番・大山(三)、6番・伊藤隼(左)、7番・中谷(右)、8番・原口(指)、9番・梅野(捕)、先発・メッセンジャー(右投)

楽天=1番・島内(左)、2番・藤田(二)、3番・ペゲーロ(指)、4番・ウィーラー(三)、5番・銀次(一)、6番・岡島(右)、7番・三好(遊)、8番・嶋(捕)、9番・田中(中)、先発・則本(右投)

高低差を苦にしない、藤田の技あり2安打

チーム防御率は12球団ワーストも、チーム打率.282は12球団2位の好成績。

選手個々では好調の者、調子を落す者それぞれだが、チーム全体では引き続き快音飛び出し、今日は9安打を打った。
ちなみに3/3中日戦以降、1試合5安打以下に抑えられた試合は1度もない。

藤田とウィーラーが2安打を放った。

「2番・二塁」とおなじみの役どころで先発出場した藤田による高低差を仕留めた2安打は、いずれも難球を打ち返した曲芸ともいうべきバッティングになった。

初回の右翼二は、メッセンジャーの内角狙い投球が高めにうわずったところを叩いたもの。

見逃せば完全なボール球だった。

これを半ば強引に大根切りの要領で右翼線へ弾き返してのツーベース。
本日解説者デビューを飾った阿部俊人さんも「たまにやる」と指摘した藤田得意芸の1つだ。

3回の中安は、一転、低め誘い球を上手くひろった。

内角中心の前2打席から一転、このアット・バットは外角中心の配球。
わずか2球で追い込まれてしまう。
しかし、そこから2-2まで戻すと、6球目・低めフォークに体勢崩されかけながらもくらいつき、右前へ運んだ。

3/6の2軍練習試合でもヒットを打っているから、「4試合連続安打」だ。
守備では3度の守備機会を無難にこなした。
左ふくらはぎ痛の影響を感じさせない好調ぶりだが、決して無理することのないよう、開幕に照準を合わせてほしい。

一矢報いたウィーラーの走者一掃打

ウィーラーの2安打は、右投手が繰り出したスライダーと、左投手の真っすぐを仕留めた。
同じ球種ではなく、左右投手の複数球種を打ち返した点で収穫になった。

7回2死満塁、左腕・岩崎の高め速球を力強く弾き返した中越二は、大敗のなか、一矢報いる走者一掃打になった。

これでウィーラーの対外戦成績は、33打数7安打6打点、4二塁打、7三振、3四球、打率.212。

今対外戦は高め、、、

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この後は、打者の寸評と6回4失点だったけど則本投手のピッチングはシーズンに必ずつながるということについて言及しています。

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