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【戦評】則本昂大、エースの仕事~9/19○楽天2-0ロッテ

エースによるエースの仕事

負ければともに自力CSの可能性が消滅したロッテ最終戦。

2年ぶり3度目のCSへ決戦関ヶ原を制したのは楽天。
試合前の円陣で監督自ら檄を飛ばしたマリーンズではなく、前日に指揮官の退任報道が報じられ、この日の朝にスポーツ報知も続報したイーグルスだった。

それにしても、今季の命運を直接握る重要どころで、よく勝利した。

両軍の2点差以内ゲームの戦績は、楽天34勝41敗4分(勝率.455)、ロッテ32勝34敗41分(勝率.485)。
じつは楽天のほうが分が悪かった。

今季は旗色悪い僅差の展開で、懸命に勝利を手繰り寄せるパフォーマンスをみせたのが先発・則本。
試合後に開口一番「シビれました」と口にしたエースが8回3安打無失点。

本人も認める『術後では一番の好投』で今季2度目のハイクオリティスタート。
エースの仕事を完遂し、9回松井とともに敵軍に2塁を踏ませず零封した。

楽天先発が8回を投げ切り、9回松井に直接つないだ勝ちゲームは137試合目にして今季初になった。

松井、自己最多へ残り1個

最終回を任された守護神も、威風堂々の36セーブ。
代打・岡、マーティンから奪った2三振は全球真っすぐ勝負。

これで奪三振数は103個に到達した。
これは圧倒的な存在感を誇った2017年サファテの102個を上回り、抑え転向したプロ2年目の自身の記録にも『残り1個』に迫る数になった。

辰己、熱盛!

守備陣の好守支援も光った。

3回先頭の9番・藤岡の左前ヒットコースを島内が球際スライディングキャッチ。

1点リードの8回2死、8番・中村によるバックスクリーン行きの快飛球を背走し、塀際ジャンピングキャッチでアウトにしたセンター辰己の好捕は、マウンド上で則本が拳を高く突き上げ、『報道ステーション』で「熱盛」認定を受けるファインプレーになった。

主将先制打、男前島内の適時三塁打

打線は本戦も2得点。
これで9月15試合中、2得点以下は9試合を記録。
CS進出した場合、得点力不足が課題になりそうだ。

そのなか、初回にキャプテンマークが先制打を放つと、1-0で迎えた9回は男前島内が右中間へタイムリー三塁打。

島内はこれで11試合連続ヒット、9/16(○E8-2)から3試合連続の複数安打。
もっと言えば9/16から3試合連続の得点&打点と1番打者としてよく機能している。

楽天は137試合67勝66敗4分で9/4以来の3位浮上になった。

両軍のスタメン

楽天=1番・島内(左)、2番・茂木(遊)、3番・浅村(二)、4番・ブラッシュ(指)、5番・銀次(一)、6番・下水流(中)、7番・ウィーラー(三)、8番・渡辺佳(右)、9番・足立(捕)、先発・則本(右投)

ロッテ=1番・荻野(中)、2番・鈴木(三)、3番・マーティン(右)、4番・井上(一)、5番・清田(指)、6番・角中(左)、7番・田村(捕)、8番・中村(二)、9番・藤岡(遊)、先発・小島(左投)

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明暗分かれたバント作戦

この試合、印象に残った楽天の明暗分かれたバント作戦について。

本戦は1試合5度という滅多にないのバント企図の多さが目立った。
則本が付け入る隙を与えない快投をみせたため、是が非でも勝利を確実なものにする2点目が欲しい状況だった。

そのうち4度を成功させ、今季の犠打は92本に。
これは前年76本からの増加になり、パリーグでもオリックスの94本に次ぐ多さになっている。

そのなか、8回無死1塁ではチーム唯一の3割打者(パリーグ打率5位)の銀次に送りバント作戦。
なにがなんでも1点を取りにいく姿勢をみせたものの、安打出塁した一走ブラッシュには代走を送らずそのまま。
結局、この疑問残る采配が裏目になり、バント1死2塁後、捕手・田村の2塁牽制に刺されて憤死してしまった。

楽天の2塁走者が捕手牽制で憤死したケースは今季これで4度目。

しかし、残り3個は全て走者2,1塁、3塁封殺リスクのあるバント作戦で発生したもの。
今回のようにバント作戦ではない状況での2塁走者牽制死は初の事態。
正直、何がしたかったのか理解に苦しむ平石采配になった。

一方、1点を追う9回1死1塁、足立のバントで2死2塁にしながらも、2点目を取りにいった場面は、平石監督の好采配だ。

直前の無死1塁、辰己が投バゴで2塁封殺のバント失敗。
そのため、足立へのバント指示は執念のタクトになった。

楽天の1死1塁バント作戦は、、、

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