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【回顧】岩隈ファンを泣かせた、張本勲舌禍事件

今日は何の日、5月22日 

楽天イーグルスの「今日は何の日?」。今日5月22日は藤田一也が人生初満塁弾を放ち(2015年)、足立祐一が大谷翔平からプロ初安打を記録した日(2016年)に当たる。2018年には戸村健次が顔面打球直撃で救急搬送されるハプニングもあった。

しかし、僕がまっさきに思い出すのは、『2010年5月22日の巨人戦』だ。数年前に感じられる10年前の衝撃は、個人的に忘れることのできない5月22日になった。

◎チームの5月22日戦績

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忘れられない10年前の5月22日 

試合は3-5の逆転負け。前日サヨナラを飾ったイーグルスはこの日2万人超を集めたKスタのマウンドに岩隈久志を送り連勝を狙った。

当時チームは5位に低迷。4位・オリックス、6位・日本ハムと団子状態が続いていた。1つでも白星を積み重ねて借金を返しBクラスから抜け出したい、そんな土曜日のナイトゲームだった。

戦況は6回まで3-1、楽天2点リードと有利に運んだ。岩隈も中軸に小笠原道大、ラミレス、阿部慎之助が並ぶ豪打の巨人打線を3安打1失点に抑えて試合を作る。翌7回、阿部に2ランを許してゲームは振り出しに戻ると、8回1死93球で岩隈は降板した。

しかし、エースを諦めてブルペン勝負に出たブラウン監督の継投作戦はハマらなかった。9回片山がピンチを招くと、火消しに向かわせた川岸が長野久義に2ランを浴びて万事休す。エースが100球未満でマウンドを去ると、後続のブルペン陣も踏ん張りきれない。

もったいないかたちで勝利を逃した逆転負けの波紋は、Kスタ、仙台、プロ野球だけにとどまらず、思わぬところに飛び火した。


言論を弾圧したTBS

問題が発生したのは、一夜明けた日曜日のこと。その後の言論弾圧にまで発展した震源地は、日曜朝8時のTBS『サンデーモーニング』だった。

関口宏が司会を務める報道番組は今年で33年目に突入している。そんな長寿番組を支える名物コーナーの1つが「週刊ご意見番」だ。プロ野球を始めとした1週間のスポーツに対し、張本勲が「喝」「あっぱれ」を縦横無尽に入れる人気コーナーは5月23日の朝、前夜の楽天vs巨人戦を遡上に上げていた。

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張さんが飛沫とともに繰り出した「喝」の行き先は、楽天のエースだった。

「7回(実際は8回途中)で降りちゃだめよ。3対3、同点ですよ? まだ100球も投げてないんだから (中略) 必ずこの人はね。精神力弱いと思いますよ (中略) 一番苦しいんですよ、8回9回は。それを避けることが非常に多い。私もファンですよ、彼の。素晴らしいピッチングしますよ。男前だしね。でも精神面で弱いとこがあるのよ。そうするとね、チームがね、非常に士気がガクッと落ちる」

と、張さんはまくし立てた。

このダメ出しに「え~!」と声を上げ・・・(続く)

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