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【戦評】浅村2夜連発も空砲。獅子ドラ1に軍配上がった『航』対決~7/25●楽天1-5西武

足踏みしてる余裕なんてない!

1位・ソフトバンクとの直接対決が2週間以上もない日程。
そのなか、ゲーム差5.5で追いかける楽天にとって、この日は若鷹軍団がロッテに負ける千載一遇の好機だった。(●H2-7M)

こういう他力本願のチャンスこそ確実に勝利し、差を詰めるべきだったが、西武11回戦は投打かみ合わず、残念な結末に終わっている。

先発は楽天・辛島航、西武はドラ1新人の松本航。
歳の差6歳離れた『航』対決は、松本に軍配が上がった。

辛島は5回4失点で今季5敗目。
これで4戦連続でQS未達となり、4月3.13でスタートした防御率も5月4.34、6月4.60と数字を下げ、7月に至っては7.04、シーズン防御率も4.55と大きく後退した。

辛島は2回以降は毎回複数のランナーを背負う苦しい内容。
中盤に4点を先行されると、打線は「初顔合わせ」の相手先発・松本の前に4回までノーヒット。

6回に3番・浅村の2試合連続ホームランとなる19号ソロで1点を返すものの、敵軍が継投に入った7回以降は3イニング連続の三者凡退に封じられ、1-5で敗戦した。

数少ない見どころは、浅村の文句なし胸のすく爽快な19号ソロと、9回に自ら招いた無死2,1塁ピンチで相手中軸をチェンジアップで三者連続三振に取った渡辺佑のプロ初登板ぐらいだ。

これで順位は再び4位後退。
チーム成績は90試合45勝43敗2分へ。

各種戦績は、西武戦7勝4敗、7月6勝11敗、後半戦5勝3敗、
先制を許した試合20勝36敗2分、6回終了時に負けているゲーム6勝30敗1分になった。

両軍のスタメン

西武=1番・秋山(中)、2番・源田(遊)、3番・外崎(二)、4番・山川(一)、5番・中村(三)、6番・メヒア(指)、7番・金子侑(左)、8番・岡田(捕)、9番・木村(右)、先発・松本(右投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・島内(左)、3番・浅村(指)、4番・ブラッシュ(右)、5番・銀次(二)、6番・和田(一)、7番・ウィーラー(三)、8番・堀内(捕)、9番・辰己(中)、先発・辛島(左投)

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初顔合わせに今季3度目の白星献上

西武先発の松本はここまで防御率4.25。
奪三振率5.52に対し、与四球率5.10。

試合によっては奪三振よりも与四死球のほうが多くなることもザラで、6回投げ切ったのは過去8戦中わずかに1度だけという不安定な成績だった。

変化球はいろいろ投げるものの、多数の空振りを奪うことのできるトップクラスの決め球は持ち合わせておらず、楽天に充分にチャンスあると予想していた。

ところがだ。
蓋を開けてみれば6回1失点で白星献上。

今季、楽天が通算でも初顔合わせの相手先発に白星を与えたのは、5/2ソフトバンク戦で(●E0-1H)7回無失点の大竹、6/23DeNA戦(●E0-3DB)で6回無失点をみせた上茶谷に続く3度目になった。

松本の110球を分析すると、下記表になる。

6回、打者23人、球数110、被安打3、被本塁打1、奪三振8、与四球1、与死球1、失点1、自責点1。

攻略できなかった松本のストレート

この表を見ると、一目瞭然。
楽天打線が手を焼いたのは、松本のストレートだった。

全体の56.4%と多投してきたピッチングの基本球に対し、楽天打者は15打数3安打の打率.200の戦績。
真っ直ぐで空振り8球を喫し、見逃しストライクも18球と多く、カウント稼ぎのファウルも7球。
ストレートでストライクを稼がれること30球以上に及ぶ結果になった。

真っ直ぐ空振りの内訳を確認すると、茂木2球、浅村2球、ブラッシュ2球、和田1球、ウィーラー1球。
好調の茂木を始め、複数の打者が喫していることからも、本戦では松本のストレートが走っていた証拠と言えそうだ。

とくに茂木は初回先頭打者でストレートにバットが連続で空を斬る事態になった。

いつも言うように、初回先頭打者は相手先発も立ち上がりに当たる。
その日の調子を確認するべく、腕を振って基本球ストレートを多投し自身のバロメーターとするため、速球割合が格段に増える傾向にある。

当然、茂木もそのことを把握して応戦するわけだが、本戦ではあえなくの空三振。
初回先頭打者で茂木が速球に複数空振りしたのは、今季では5/1ソフトバンク戦(○E9-0H)以来2度目のことになった。

松本のストレートにねじ伏せられたと言えば、2点先制された直後の4回攻撃も象徴的だった。

四死球で貰った無死2,1塁、打席は3番・浅村というシーン。
松本の変化球が2球はずれ、カウントは打者有利のボール先行2-0。

そこからストレートを3球連投され、見逃しストライク、ファウル、空振りの空三振。
最後2球はゾーン真中近辺に入る甘い球だったが、リーグ屈指の右打者が対応できなかった。
(後続も凡退。絶好機でクリーンアップ討ち死にというシーンだった)

力強い真っすぐを投じていた松本の攻略の糸口があったとすれば5回のこと。
この回は楽天打者のストレート撃ちヒットが2本飛び出したイニングだった。

1死後、不調極める7番・ウィーラーが右安。
143キロ速球に対し、当たりはイマイチだったものの飛んだコースに恵まれ1,2塁間を破ったヒットで出塁すると、2死後に代打・藤田が146キロ速球を右中間へ。

ベテランの一打が二塁打になり、2死3,2塁。
お膳立て整って打席に迎え入れたのは、得点圏打率リーグ5位の茂木。

ここも前述浅村と同様、、、

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