球団史上初のプロ初安打・初本塁打で門出を飾った楽天・伊東亮大。その2015年を振り返る。

テキストで振り返る伊東のルーキーイヤー

2014年度の新人選手選択会議。楽天のドラフト戦略は「ダイバーシティ」というキーワードに集約されていた。

高校2年時に157キロを投げ込んだ剛腕・安楽智大、二刀流の素質が騒がれた小野郁、フルスイングが魅力の日系ブラジル4世ルシアノ・フェルナンド、独立リーグから夢の舞台に辿り着いた遅咲きルーキー・入野貴大、生え抜きサブマリンの加藤正志等々。育成枠の2人を含めた多様性に富む9人の逸材が、クリムゾンレッドに新たに袖を通し、プロキャリアをスタートさせている。

ドラフト7位の本稿主人公、伊東亮大もそのダイバーシティを象徴する1人だ。

松井裕と同じ桐光学園高出身。武蔵大から日本製紙石巻に進み、2013年にはDHで社会人ベストナインにも輝いた。194cmはNPB日本人野手最身長だ。私は伊東を頭脳明晰と見ている。目元は田中将大と似ているとの自己申告も、頭の切れるお笑い芸人バカリズムに似ている風貌の持ち主。担当の上岡スカウトから「スイングで相手に恐怖心を与えられる素材」と期待を寄せられた長身打者は、新入団選手発表会見の席上でも、社会人経験を積んだ者らしく、終始落ち着いた質疑応答を披露。巨人のエース・菅野智之との対戦を熱望した。

仲里班(2軍)スタートとなった久米島キャンプでは6日の1軍紅白戦に招集を受け、横山からセンター返し安打を記録。オープン戦は1試合、3月16日DeNA戦で三嶋一輝の前に三ゴ、空三振に倒れるなど3の0に終わり、即2軍行きを告げられてしまう。それから数か月後の7月1日コボスタでの2軍戦、リベンジの機会が到来した。自らを利府送りにした三嶋から右安、右本と打ち込んだ。この右本は伊東が2軍で放った2本塁打のうちの1本となっている。

※※ここから先は有料エリアでお読み下さい。コボスタで6回裏にタコ焼き買って食べた気分でお楽しみ下さい。なお、当メルマガ読者の皆さんには2015年11月16日配信号に掲載したコンテンツに2016年2月8日配信号の伊東分を加えたものになりますので、御購入の必要はございません。

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