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【戦評】 楽天・則本の新生・再生を手助けする猛打・西武のラスボス感~5月6日●楽天4-10西武

大入りの本拠地でエース3回7失点

「本戦こそは!」。
プレイボール前、ぼくはエースに「一縷の望み」を託した。

則本もきっと、期するものを胸に秘めてマウンドに登ると思ったからだ。

水曜日、2年ぶりの完封勝利で7連敗を止めた岸の快投。
ファイターズ打線を寄せつけない「決意の131球」を目撃し、則本も触発されたものが必ずあるはず。
そのように期待した。

ところが、結果は見るも無残だ。

毎回複数のランナーを背負う防戦一方の籠城戦。
2ホーマー含む9安打に4四球が絡み、そこへ味方のエラーも重なった。

初回無死3,1塁こそバッテリーで叡智を絞り無失点に抑えた。

1塁走者・源田の二盗を嶋が抜群の送球で盗塁死に追い込む。

すると1死3塁、3番・浅村には追い込んでから浅村苦手のインスラで空三振。
続く4番・山川には懐を155キロ、154キロで攻めると勝負は外角変化球。
思惑どおり打たせての二ゴ凡退と、素晴らしい危機脱出劇だった。

しかし、百獣の王の猛打と重圧は凄まじく、2回以降、エースは満身創痍になり、屈した。

2回は無死満塁から3失点。
3回は森3号ソロ、木村1号2ラン、源田適時二塁打と長打攻勢に遭い4失点。

味方も失点直後に1点、2点と反撃して食い下がったが、エースの被害は甚大。
3回終了時で3-7、ビハインドの戦況だった。

このため、楽天は則本を諦め、4回から継投作戦に入ったが、戦況は好転せず。

獅子軍団を三者凡退に退けたのは、終盤9回の1イニングのみ。
8回まで毎回走者を出し、そのうち6イニングで先頭打者の出塁を許す展開だった。

羽根をもがれ制空権を失った楽天は、5回、2番手・久保が秋山に4号ソロを被弾。
終盤8回、5番手・菅原が無死満塁のピンチを招くなど2点を奪われ、スコアは4-10で敗戦。

今シーズン最多16安打を許し、今季2度目の二ケタ失点である。

27,468人と本拠地最多動員数を更新した大入りの楽天生命パーク。
そのなかで繰り広げた惨劇にゲーム終了後、立花社長はTwitterで「勝利できなくて、申し訳ありませんでした!」と謝罪に追い込まれた。

社長のTwitterでの謝罪も、4/22オリックス戦(●E-08Bs)、4/26ロッテ戦(●E-1M)に続く3度め。
もはやおなじみの光景になったところに、寂しさを感じてしまう。

これでチーム成績は6位、30試合7勝22敗1分、借金は今季最多の15。
ゲーム差は1位・西武と15.0、2位・ソフトバンクと9.5、3位・日本ハムと9.0、4位・ロッテと6.0、5位・オリックスと5.5。

明日負けると、早くも自力優勝の可能性消滅というところまで遂にきてしまった。

両軍のスタメン

西武=1番・秋山(中)、2番・源田(遊)、3番・浅村(二)、4番・山川(一)、5番・森(捕)、6番・外崎(三)、7番・栗山(左)、8番・メヒア(指)、9番・木村(右)、先発・多和田(右投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・銀次(二)、4番・ウィーラー(三)、5番・今江(一)、6番・アマダー(指)、7番・岡島(左)、8番・嶋(捕)、9番・八百板(中)、先発・則本(右投)

打線は徐々に上向き傾向

ここ3試合のチーム安打数は11、7、10。
打線は一時期のどん底を確実に脱し、上昇傾向を描き始めている。

この2試合は相手が悪すぎた。
12球団最多の得点力を誇る西武でなかったら、勝てるチャンスも高かったはずだ。

よくもわるくも外国人頼みの楽天打線。
命運を握る助っ人トリオの一発も増えてきた。

開幕から4/22まで21試合で6本塁打にとどまった彼らのホームランは、4/25以降の9試合で6発。
NPB史上初の外国人20発トリオを達成した昨季のような「本来の姿」を徐々に取り戻しつつある。

その3人、本戦ではそろってタイムリーを弾き返している。
いずれも逆らわない素直なバッティングで応戦し、センターから右方向に飛ばす好打で、走者をホームに呼び込んだ。

じつは彼ら3人がともに打点をマークしたのは、今シーズン初である。

注目したいウィーラーの5月反転攻勢

ペゲーロの状態が本調子になるのは、もうしばらく先か。
速球と落ちる球の極端すぎるペゲーロ殺しの配球から解放される交流戦がカギになると思うのだが、一足先に復調気配を漂わせているのが、副将だ。

「5月になったら見てろよ」。
先月下旬に反転攻勢を誓ったウィーラーが、有言実行へ向けて5月良いスタートを切った。

カレンダーをめくり、新しい月に入り、沈鬱なムードとおさらばさ。
ウィーラーの中で気分一新できたのだろう。

5/2日本ハム戦(○E1-0F)ではスミイチ勝利に貢献する右翼フェンス直撃の決勝二塁打を放った。

5/4西武戦(●E5-6L)は相手バッテリーの意表を突く1試合2盗塁。
その後、今江のタイムリーで激走をみせて一時は同点に追いつくホームを踏んだ。

本戦では守備でエラーがあったものの、打撃では多和田の145キロをコンパクトに打ち返すタイムリーを披露した。

なかでも注目すべき数値がある。それは...

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