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思想犯日記

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僕の、思いをただただ綴るのです
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#日記

さよならなんて言わなかったじゃないか

あなたがいなくなった日。
ふと立ち去ってから、私はなにも気づかずにメッセージを送り、
「未読無視つれえ〜〜」
そう言って呆れたように伽藍とした部屋で1人机に携帯を置いて煙草を手に取った。

あなたっていう人は返信が遅くて、それでも入院日記を毎日続けて書いて、たまに見せてくれる。綺麗な胡桃色の髪が目にかかって、やさぐれた身体によく似合っていて。背が低いのをいつも気にしていて。

ふと携帯の画面が明る

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あの人が居た日の日常

ねえ、あなたの居る朝はもう来ないの。

朝、窓の辺りに光が差して、布団に潜り込む。無意識に耳を塞ぐ。父の怒鳴り声だ。階段を登る父の足音がズシ、ズシ、と近づいてくるのがわかる。
そこで目を覚ました 朝 という情報が頭に追いついてなんとか自覚する。
おはよう。今日も起きてしまった。憂鬱でもなければ屈託でもない、只只 連続殺人事件 の様な一日が始まる。
あー、頭が痛い。耳鳴りがする。
昨日、小説とヘッド

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