『宇宙よりも遠い場所』が『この世界の片隅に』『きみの声をとどけたい』と連鎖する、静かな新しいスタイル
「高校生の女の子が南極を目指す」あらすじだけみればとても地味な内容だし、プロモーション画像を見たってけっして派手なイメージではない。ところが実際には今シーズンで飛びぬけて完成度が高い。基本のデザインからレイアウト、アニメート、脚本のいずれも隙がない。(8話まで)
しかも今作が突然出来上がったデザインというわけではないでしょう。「ノーゲーム・ノーライフ」チームの作品ですが、どちらかというと同マッドハウスの昨年の劇場用映画「きみの声をとどけたい」そしてこちらはMAPPAですが「この世界の片隅に」とどこか繋がっているデザインではないでしょうか。そう、近年のマッドハウス系列から生み出されているこれは、静かに新しいスタイルとして確立されているのではないでしょうか。話は広がり、スタジオジブリの現代化の話にまで飛躍します。
今回はこの3作の持つスタイルがいかなる効果を発揮しているのか、源流はどこにあるのかのお話です。
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