見出し画像

tripしたくなる気持ちは、どこから来るの?

コロナ疲れ。あなたは大丈夫ですか。
毎日の生活が単調だったり、毎日同じことの繰り返しだと飽きてしまい、生活にもハリが無くなり気力も衰えてしまいます。

このヤル気が出ない状態、つまり「気」が枯れてしまった状態が気枯れ(ケガレ)です。穢れとも書きますが、これはお米(のぎへん)が歳を越して不味くなってしまうという意味で、やっぱり状態が良くないことを表しています。

私たちはマンネリ状態に陥ると、それを回復しようと無意識に、あるいは意識的に心身をリセットしようと行動しているようです。

画像1

よくストレス解消といってお酒を飲んだりカラオケに行ったりしますが、これは一度落ちた気力や気分をアゲるためのイベントと考えられます。これがもっと大掛かりになると、年に一度のお祭りや人生の節目の旅行などになります。

画像4

英語のtripは旅行と訳すことが多いですが、元々の意味は「移動」なのだそうです。つまり旅行とは、普段生活している日常圏からいつもと違う非日常の世界に移動することと考られるのです。(お酒に酔った状態も、精神的にはtripしていますね)。

行き先でもっとも非日常な場所といえば、異界でしょうか。ですから昔の人が旅先に選んだ場所は、神様がいらっしゃる聖なる場所、すなわち神社や霊山だったのです。今でいうパワースポットですね。

写真は那智の滝。しめ縄によって神聖な場所と俗界が区切られています。

画像3

伊勢神宮や熊野古道、出羽三山といった異界に向かう途中には、難所もあったことでしょう。こうした苦難を乗り越えた末に神聖な場所に辿り着き、神様からご加護(パワー)を授かって、身も心もリフレッシュする。そしてまた日常の生活に戻ることが出来たのです。

画像4

伊勢神宮略図(安藤広重)