[Blender]GreasePencilを使ってPrevisを作ってみた[4.シーケンサー]
前回の記事
アニマティクスで大体の流れは作りましたが、もう少し細かい内容はプリビズで詰める予定、という状態です。
アニマティクスでは1ファイルに全カットを入れましたが、そのままでは作業しづらいので、1カット1ファイルに分けて、カット毎のムービーをシーケンサーで繋げて編集していきます。
下の様に、シーケンサーのタイムラインにアニマティクスを敷きます。
次に、敷いたアニマティクスをカット毎に分割(ショートカットK)します。
この時に(人によっては)便利なツールです。
分割するとカット数やカット尺などが分かり、全体を把握しやすくなります。
いよいよ各カットのプリビズを作るわけですが、カット毎にムービーを出力したら、分割したアニマティクスと差し替えていきます。
この作業が実はAEやDaVinciよりやりやすいのです。理由は、編集ファイルを開きっぱなしでフッテージを更新出来るからです。
AEだとAEファイルを開きっぱなしの状態ではフッテージの上書き保存ができず、DaVinciだとフッテージの上書き保存は出来るけどDavinci上でうまく更新されないのです。(おま環?)
Blenderのシーケンサーは開きっぱなしでもフッテージの上書き保存ができます。シーケンサー側の更新は「全て更新(ショートカット(ctrl+E)」で出来ます。
フッテージは頻繁に更新するので、プリファレンスのプロキシ設定を「マニュアル」にしておく事と良いです。「自動」だとフッテージを読み込んだ時にストリップのプロキシがオンの状態になってフッテージの更新がうまく出来なくなる場合があるからです。
Blenderのシーケンサーで編集するとフッテージの更新が楽なのが大きなメリットです。個人的にはプリビズのフッテージ作成と編集は平行して行なうものであって、頻繁に行き来する必要があるので、これは大きいです。(昔のAEはそれが問題無く出来ていたんですが)
フッテージの尺を詰めたり伸ばしたりリタイムするといった基本的な編集作業も問題なく出来ます。
驚いたのは、Blenderのシーンをストリップとして直接タイムラインに並べて編集出来るという事です。
シーケンサーを選べばプリコンプ的に使えますし、カメラを選べばカメラからの画をストリップとして使えます。つまりフッテージをムービー出力する必要がありません。
Blenderにシーケンサーが同梱されている理由はこれかもしれませんね。未来を感じます。
が、「カメラ」は現状では再生が重くなるので今の所は一旦ムービーとして出力しておいた方が良さそうです。
便利なシーケンサーですが、機能としてはまだ最低限なので、しっかり合成や加工をするならBlenderのコンポジターを挟むか、AEやDaVinchを使った方が良いと思います。
テキストストリップを使う場合は、Blender4.2以降ならアウトラインを付けられます。4.1までだと影しかつけられません。
テキストを改行するのはちょっと面倒くさいです。
半角スペースを入れた箇所が改行箇所になります。そのうえで「ラップ幅」を調節する必要があります。
今回のプリビズのタイムラインは最終的にこんな感じになりました。
何かもっと書く事があった気がするのでまた別の記事に書くかもしれません。
余談
シーケンサーのタイムラインにシーンを並べる機能を利用して、Blender内の絵をコンテ用紙に並べるというのをやってみました。
ToomBoom StoryBoard Proとまではいきませんが、これをもっと発展させればとんでもなく便利になりそうな予感がします。
海外では既にアニマティクスやプリビズ用にパッケージ化したツール群を開発している所もちらほらあるみたいですが、テンプレート化したpdf出力まで出来るものはまだ無さそうです。