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「美術作品は美術館で見るものじゃない」という先生の教えをあべのハルカス16階で思い出して

「美術作品は美術館で見るものじゃない」という先生の教えをあべのハルカス16階で思い出して

カラヴァッジョ・・・天才画家にして殺人犯、バロック美術の創始者として長らく10万リラの肖像として君臨したにも関わらず日本人にはほとんど認知されていない、闇の画家。

そんなカラヴァッジョの巡回展が昨年、札幌、名古屋で開催され、現在、大阪で最後の会期を迎えている。

カラヴァッジョと聞くと、私はカラヴァッジョ自身の顔を思い浮かべるより早く、ある人物の顔を思い浮かべる。
大学時代の恩師の顔だ。

5年

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–北欧画家ハマスホイの絵を観て−
暮らしの彩度を下げると見えてくるものがある。

–北欧画家ハマスホイの絵を観て− 暮らしの彩度を下げると見えてくるものがある。

最近、自分のファッションの嗜好がどんどん無彩色に寄って来ている。

平日のオフィスカジュアルでも休日の本気のカジュアルでも、無彩色系の洋服に金属系のアクセサリーを合わせるのがマイブーム。
オフの日は膝下まであるグレーのニットのワンピースに黒のショートブーツを合わせ、金のイヤリングと指輪をつけるのがスタンダードになっている。
ここ何週間と休日はこの格好しかしていない。

ズボラなんだ。
でも、楽で落

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イエール大学美術史学科が西洋美術史基礎調査コースを廃止した件について

イエール大学美術史学科が西洋美術史基礎調査コースを廃止した件について

少し前にこんな記事を見つけて仰天した。

名門イエール大学の美術史学科が西洋美術基礎調査のコースを廃止するという。
理由は既存のコースが圧倒的に白人、ヨーロッパ、異性愛、男性に偏重していることにより、学生が不安を覚えたためらしい。

新設されるコースは
・芸術と政治
・世界の工芸
・シルクロード
・聖地
と、西洋美術に固執せず、より多様性に富んだものになるという。

けれど、私はこのイエー

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