マガジンのカバー画像

自己紹介がわりのnote

5
運営しているクリエイター

記事一覧

『エモい』論 ~文学性は現代人を動かせるのか~

『エモい』論 ~文学性は現代人を動かせるのか~

*これはJAAA(日本広告業協会)の第49回懸賞論文・新人の部 に応募した論文です。

0.現代人も古代人も共感する「エモい」という感情 ここ数年、若い世代で「エモい」という言葉が流行っている。「エモい」は若者の SNS 文化を通じて波及したジャンキーなイメージの強い言葉だ。しかし、私はこの「エモい」という言葉は文学性を内包する美しい日本語であると感じる。
「エモい」は三省堂 辞書を編む人が選ぶ「

もっとみる
「美術作品は美術館で見るものじゃない」という先生の教えをあべのハルカス16階で思い出して

「美術作品は美術館で見るものじゃない」という先生の教えをあべのハルカス16階で思い出して

カラヴァッジョ・・・天才画家にして殺人犯、バロック美術の創始者として長らく10万リラの肖像として君臨したにも関わらず日本人にはほとんど認知されていない、闇の画家。

そんなカラヴァッジョの巡回展が昨年、札幌、名古屋で開催され、現在、大阪で最後の会期を迎えている。

カラヴァッジョと聞くと、私はカラヴァッジョ自身の顔を思い浮かべるより早く、ある人物の顔を思い浮かべる。
大学時代の恩師の顔だ。

5年

もっとみる
この業界の片隅で

この業界の片隅で

アカデミズムの世界のビジネス寄りは、ビジネス界の圧倒的アカデミズム寄りだ。
そんなことを最近つくづく感じる

去年まで超厭世的なド文系大学生をしていて、今年広告代理店で社会人1年目をしている。

大学時代の恩師には院進を期待されていたけれど、大学院の諸先輩方ほど勉強が好きじゃないのは明らかで、自分は全く持ってアカデミズムの人間ではなく、明らかに市場よりの世俗的な人間なんだと思って、学部卒で社会に出

もっとみる
会社の同期が好きだけど苦手だ

会社の同期が好きだけど苦手だ

自分のつまらなさを開き直って、愛してあげられる日はいつになったらくるのだろうか。

30を過ぎたら、40を過ぎたら、50を過ぎたら…

どこまでも面白くない自分なりに開き直って図太く生きていけるようになるのだろうか?

今日、ほぼ1年ぶりに同期で集まって飲んだ。

辛かった。二言三言しか話せなかった。
自分なんてこの場にいてもいなくても一緒なんじゃないかと、そう思った。

1年前の春、新入社員研修

もっとみる
私がnoteをはじめた理由

私がnoteをはじめた理由

「何者かになりたい」という漠然とした願望を、自分の内に明確に認識したきっかけは、広告代理店に入社したことだった。

***

昨年4月に総合広告代理店に入社した。
詳細な志望動機は省くとして、幼少期から何か楽しいできごとに出会う度、それを消費する側の人間ではなく作り出したり仕掛けたりする側の人間になりたいと思っていたことが所謂マスコミ業を志した表向きの理由なんだと思う。

だが、私は面接で

もっとみる