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仏教からの精進料理とベジタリアンについて

実は、もともとの仏教では肉も食べてたし、牛乳も飲んでいたのです。ブッダがスジャータからもらった牛乳粥で元気になったエピソードが私は好きです。

タイ・カンボジア・ラオス・ミャンマーの上座仏教では、肉類、たまご、乳製品は食べて良いとされています。

上座仏教の考えでは、お坊さんは托鉢で食べ物をいただくので、「好き嫌い言わずに何でもありがたく食べましょう」ということで、肉でも魚でも虫でも、いただいた物は残さずありがたく食べないと、貧しい人が分けてくれた食べ物に対して申し訳ないし、偉そうですよね。

仏教では、不殺生という一番だいじな戒律があるのになぜ肉を食べるのか?

という声もありそうですが、私たちは生き物(植物もふくめ)を食べないと生きていけません。そして、動物も植物も昆虫も命の重さに変わりはありません。

上座仏教では、お坊さんが殺される現場を見なかった肉類、または僧侶のために殺されたものではない肉類じゃないと食べてはいけないというルールがあるようです。

対して、大乗仏教(とくに中国・台湾・ベトナム・朝鮮・日本)では菜食主義なのか。

それは、中国の皇帝が仏教の熱狂的信者になって仏教を厳格化して、僧侶に肉食を禁止したのです。

なので元来、精進料理とは国によって違うものであり、根本的な仏教の教えでは粗食であり、バランス良く豆類、野菜を中心に、時には肉や魚も食べるというアジア全般の伝統的な家庭料理と同じだと思います。

参考までに、ネギ、ニラ、ニンニク、タマネギ、生姜、パクチーなど刺激的な野菜も禁じている宗派や地域もあるようです。

日本ではあまり菜食が発展していないし、ベジタリアン・ビーガンレストランもあまりありませんが、中国や台湾、香港や華僑の多い国では菜食文化が発達していて、菜食レストランが多くあり、値段が安くて美味しい印象でした。

とくに大豆から豆腐の加工品が発達していて、「肉もどき(仿葷素菜)」の食材が作られたり、湯葉を加工してハムに似せたものがあったり、椎茸やキノコのスープがかなり美味しい。


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