各モデル比較

更新:2022年4月

このページでは DynaVap を構成するパーツ類の説明、そして各モデルの違いや特徴などを簡単に紹介しています。

構成パーツ

DynaVap は下記のパーツで構成されています。

スクリーンショット 2019-12-17 17.02.50

Cap: 蓋、適温通知(クリック)、加熱機構、吸殻掻き出し
Tip: チャンバー、加熱機構、放熱フィン
CCD: (上の画像では見えていませんが)チャンバー底面に嵌め込むスクリーン
Midsection: 胴体部分
(短サイズ: 45mm = Body|長サイズ: 62mm = Stem)
Mouthpiece: 吸口部分
Condenser: Midsection と Mouthpiece 内部を通る筒状の煙道
・そして上記パーツを接続させる O-Ring(切断面がOになる細いリング) と大小の X-Ring(切断面がXになる太いリング)
※公式ウェブページ等ではどちらも O-Ring 表記ですが、当 note では区別するために業界標準の X-Ring という呼称を使いますね。

各モデルで Cap 以外のパーツに素材や機能の違いがあり、大きく分類すると3つのモデルラインナップとなる。(Cap の素材は全モデル共通)

・エントリーモデルの M 
・ミドルレンジモデルの VonG
・ハイエンドモデルの Omni

以下でこの3モデルの違いや特徴をかいつまんで紹介していきます。


M:エントリーモデル

これは2021年の The M

M シリーズは Cap 以外の全パーツが SS (Stainless Steel) 製のエントリーモデル。他モデルと比べ安価ながらも DynaVap のエッセンスを存分に体験できる。喫味も遜色なく濃厚。

SS 製の M シリーズは、上位の Ti (Titanium: チタン) 製モデルと比べると、下記のような特徴がある。

・少し重い(指先で重さを感じる)
・熱しにくく冷めにくい
・喫味が若干マイルド(味にまとまりがあってこってりとしている)
・Midsection は吸口が一体となった Stem

2017年に初代 M が発売され、2021年まで毎年、吸い心地や操作性などが改良された新型に刷新されている。以下の動画でその変遷が見て取れると思います。

↓ 2017年版の初代 M

↓ 2018年版の M

↓ 2019年版の M

↓ 2020年版の M 

↓ 2021年版の M


VonG:ミドルレンジモデル

これは2021年の The VonG

Tip が Ti 製で、Midsection に木を用いたミドルレンジモデル。
因みに VonG は Vapcap on Glass joints (of bongs) の略称。ボング(水パイプ)のガラス受口にフィットする"形状"のことを表している。

Ti + 木製の VonG シリーズは SS 製の M と比べると下記のような特徴がある。

・軽量(指先で重さを感じない)
・熱しやすく冷めやすい
・喫味が若干シャープ(味の解像度が高くてすっきりしている)

木を用いたモデルは Ti Woody から始まり、VonG 形状としては Ti VonG が初代で、その後 NonaVonG, HydraVonG, そして2021年に"The VonG"へと刷新された。

↓ Ti Woody

↓ Ti VonG

↓ NonaVonG

NonaVonG は木製の Midsection が Trisected Nonagon(三等分九角形)形状で、 Body (45mm) と Stem (62mm) の2サイズから選べる。吸口を付ける場合は Spinning Mouthpiece(回転吸口)となる。この NonaVonG から VonG モデルでは  Condenser も Ti 製になった。

↓ HydraVonG

HydraVonG は9つの頭を持つ海蛇 "Hydra" の首が巻きついたような流線型の木製 Midsection でサイズは Stem のみ。吸口を付ける場合は Spinning Mouthpiece(回転吸口)となる。

↓ The VonG

2021年発売の The VonG では吸口と一体化した 62mm = Stem の Midsection のみで1サイズ。Midsection は内部、Tip 接続部、吸口は Ti 製で外側スリーヴのみが木製。この木製スリーヴを回すことによりエアホールの開閉が可能になった。

また、2022年には外殻スリーヴも Ti 製で、分解と交換も可能になった The VonG [i] が発売された。


Omni:ハイエンドモデル

これは2021年の The Omni

Ti Tip + Ti Omni Condenser and Mouthpiece 搭載のハイエンド・フラッグシップモデル。

Omni モデルの基本的な特徴も

・軽量(指先で重さを感じない)
・熱しやすく冷めやすい
・喫味が若干シャープ(味の解像度が高くてすっきりしている)

と、VonG モデルとほぼ同じですが、Omni モデルには他モデルにはない Omni Condenser and Mouthpiece というエアフローコントロール機構がある。(詳しくは後述)

Omni シリーズはガラス製 Midsection の初代から始まり、OmniVap/VonG, そして2021年の"The Omni"へと変遷してきた。

↓ OmniVap

OmniVap は(Cap以外の)全てのパーツが Ti 製。長さはレギュラーサイズとXLサイズがある。

↓ OmniVonG

OmniVonG は Midsection のみが木製の VonG Body/Stem となる。こちらもレギュラーとXLの2サイズ。

↓ The Omni

2021年の The Omni も(Cap以外の)全てのパーツが Ti 製。長さはXLの1サイズになった。

Omni モデルの最大の特長はエアフローコントロール。それを説明する前にまずは DynaVap 自体のエアフローやエアパスを少し解説しますね。

エアフローとエアパスについて

DynaVap はエアホールを全開放の状態でドロー(吸込)をすると、下のアニメーションのように外気が流れ込む。

画像2

エアホールから外気が入り、Condenser 上端と Tip 底部の隙間を経由し、 Condenser 内部に流れ込み吸口へ。これだと、Tip 内への外気流入は僅かで、エアホールからの外気を吸っているだけで喫味はほぼ出ない。ドロー抵抗もない。

逆にエアホールからの外気取り込みをブロック(指で穴を塞ぐ、または X-Ring を穴より Tip 側にずらす)してドローすると↓のようになる。

画像3

外気は Cap と Tip 外構の隙間を経由し熱風となり Tip 内部へ流れ込む。そして喫味成分を抽出した後に、放熱フィン下の煙道や Condenser を通ってある程度冷やされ、 吸口へ流れる。これだと濃厚な蒸気のみが口に入り込む。しかし直に肺に入れる吸い方だと濃厚すぎることがある。そして、狭いエアパスを経由するのでドロー抵抗は大きく、吸い込みが苦しい。

ですので、Tip で抽出された濃厚な蒸気とエアホールからの外気を混ぜて、喫味もドロー抵抗も丁度良い塩梅で吸いたい場合もある。M などでそれをするにはエアホール上の指先で都度調整する必要があり、少々手間。Omni モデルではその"良い塩梅"を微調整して固定できるエアフローコントロール機構が Condenser と Mouthpiece に備わっている。

Omni のエアフローコントロール

Omni のエアフローコントロールは文章でお伝えするとイメージしづらいと思うので、まずは下記の動画をご覧いただくと分かりやすいかと。

Omni では Mouthpiece を押し込みながら回すと Condenser が伸縮し、Ti Tip と
Condenser の隙間が開閉する。この機構により、Tip と Condenser の隙間に流れ込むエアホールからの空気量を全開から全閉近くまで無段階調整して固定できる。

このギミック/仕掛けこそが Omni たる所以であり、上の動画のように Midsection がガラス製でも、Omni Condenser and Mouthpiece 使用ならば Omni モデルということになる。

※ Omni の Mouthpiece はこの機構の一部として機能するので、Spinning Mouthpiece にある回転吸口という特長を失う。それぞれに互換性もない。また、エアフローコントロールは Ti Tip との組み合わせでのみ機能する。SS Tip では Omni Condenser との隙間が閉じないので機能しない。

※ 2021年の The VonG では木製の外殻スリーヴを回すことでエアホール自体の開き具合を調節でき、Omni Condenser なしでもエアフローコントロールが可能になった。(つまり SS Tip でも機能する)

以上が DynaVap の代表的な M, VonG, Omni という既製品3モデルとなります。(2021年の "The -" への刷新で、ネーミングの不可解さもなくなりましたし、各モデルの違いもとても分かりやすくなりましたね◎)

また、各モデルにおいて、特別カラー等の数量限定/期間限定モデルも時折発売される。

次は既製品ではない、カスタムモデルについて紹介しています。


カスタムモデル

DynaVap はほぼ全てのパーツがそれぞれに互換可能なモジュラーデザインのヴェポライザー。上で挙げた代表的な既製3モデルではない、自分好みのカスタムモデルを作れる。

各パーツは個別購入できるので、例えば、種類や材質の違う Midsection や Mouthpiece を余分に買っておき TPO に合わせて着せ替える、みたいな楽しみ方もできる。

ところで、DynaVap の各モデル名や商品説明欄に不可解な略称をよく見かけると思います。改めて各略称の意味を下記にリストアップしておきます。

SS = Stainless Steel
Ti = Titanium(チタン)
Body = 45mm の Midsection
Stem = 62mm の Midsection
 ※ Body (45mm) + Mouthpiece (17mm) = Stem (62mm) の長さ
XL = 全長 109mm で、Tip, XL Condenser, Stem, Mouthpiece で構成されたモデル。
S = Spinning Mouthpiece
VonG = Vapcap on Glass joint の略称。一般的な Bong(水パイプ)のガラス受口にそのまま挿入できる。Bong と VonG でかけているんでしょうね。
Nona = nona- は"9"を意味する接頭辞。Midsection の形状が Trisected Nonagon(三等分九角形)であることから、"Nona"VonG というネーミングとなったのかなと。
Omni = omni- が"全"や"総"を意味する接頭辞ということからハイエンドモデルのネーミングに用いられているのかと思います。 
Hydra = おそらく、9つの頭を持つ海蛇"hydra"(ヒドラ)と、"水"を意味する接頭辞の"hydr(o)"をかけているんだと思います。HydraVonG の Stem はヒドラの9つの首が巻き上がったイメージで、"水"パイプ(bong)使用での喫煙に特化したモデルということで、このようなネーミングになったのかなと。

※各パーツの組み立てや互換性は公式 FAQ ページ下部 "DYNAVAP COMPATIBILITY CHART" で詳しく図解されています。既製モデルではなくカスタムで組み立て購入されたい方はご一読されたほうがよろしいかと。

因みに、下記動画のようにカスタマイズすると、モデル名はどうなるんでしょうね……?

"Ti M XL S" になるのかな…
M、XL、Sと一般社会ではサイズに使用される略称が並んでいるので、大きいのか小さいのか、はたまた中なのか、よく分からなくなりそうですが、モデル構成が、
・Titanium Tip
・M Stem
・XL Condenser
・Spinning Mouthpiece
なので、このようなモデル名になるのではないかと……

余談ですが、カスタムモデルは以前は公式ウェブ上の DynaBuilder というシステムで組立購入できた。

以上、カスタムについて紹介しました。

次のページでは喫味や使い勝手の点から DynaVap の長所と短所をまとめています。

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