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タイ編3 異国ならではの楽しみ

その一方で、楽しい!と感じる事も増えていった。

まず、やはり海外にいること自体が楽しいのだ。
現地と人との関わり、英語圏の国ではないので、流暢にしゃべれる人は少ない。それでも会話がどこに行っても成り立つ。
チェンマイの空気と人はゆっくりと時が進む。焦りは禁物といっていいほど、ゆっくりだ。
時間や他者への配慮に気を使っていた日本での暮らしでは感じられない、貴重なシーンの1つであろう。

日本では絶対見ないであろう場面も沢山あって面白い。
例えば、ワンディーのスクールで練習中、お客さんが来る。
練習を中断して、その人のマッサージをやってみろという。(実験!?(笑))そして施術代はしっかり彼女が受け取る。

はたまた、またお客さんが来て彼女が施術をはじめるが、途中でご近所さんが遊びに来る。日本だったら、きっと帰ってもらうのだろうが、構わず大声で会話をしはじめる。マッサージを受けている彼は全然気にした素振りではない。とにかく緩い。

そして、楽しいのは海外からの旅人達との出会いだ。これはどこに行っても旅の醍醐味。共通言語は英語だ。それぞれお国柄のアクセントや表現方法も違うから、聞き返すこともある。

旅人たちもまた緩い人が多い。「今」の瞬間を楽しむことがうまい人達がいっぱいいた。私の頭の中は忙しかった。今日はこうして、ああして、夜はこうして・・・。プラン通りにいかないとテンパる癖もあったと思う。予想外の事に対しての対応が弱かった。

本当に徐々にだが「流れに身を任せる」という感覚を覚えていった。
思考で計算して、出来事を先取りして想定して、それに沿って行動しないと安心しないタイプであったので、思考を取り除いて、感じてみる、という事はとても苦手だった。

突然、今の今出会った人とそのままどっか一緒に行ったり、無計画に思向くまま何処かに行ったり・・・旅は道ずれと言うけど、本当にその通りだった。さっき会話をしはじめた人達と一緒に行動しはじめる、行先を共にすることは定番のシーンとなっていた。
ここにいることが新鮮で楽しくて、私はまだ知らない世界を体験することや気付いていなかった自分をもっともっと知りたいと思い始めた。

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