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リストランテ・ア・ルゴールのドタバタキッチン(リアルイベント:タンブルウィード:日本)

本作はタンブルウィードさんと早稲田大学の謎解き企画サークル algoさんのコラボレーション作品。

テーマは料理。そして謎解き通には定評があるタンブルウィードさんとのコラボ。どのように謎解きイベントを調理してきたのでしょうか。

リストランテ・ア・ルゴールのドタバタキッチン:タンブルウィード 公式ウェブサイト

ストーリー

(公式サイトより引用)
あなたたちはレストラン「リストランテ・ア・ルゴール」にやとわれた、見習いシェフ。

表向きは高級レストランだが、キッチンの中は大変なことになっていた!

とあるガイドブックの審査員が来る日だというのに、先輩シェフがいなかったりレシピが謎になっていたりと大騒ぎ。

あなたたちは60分以内に審査員を満足させる料理を作ることが出来るのか。

目指せ3ツ星!!!!

感想

確かに、"謎解き""料理"したという感触が溢れる内容でした。

料理をテーマにした謎解き公演には2種類の方向性があると思っています。ひとつは、実際に料理してみる体験と合わせた公演。本物のレシピ、食べれる材料を使って実際に料理をしてみたりするタイプ。もう一つは、料理という概念を謎の問題に落とし込んだもの。実際の食材がでたり、出てきたレシピで本物の食事を作れるわけではないですが、謎解きをしているのにまるで実際に料理をしているかのような感覚を与える物。

この公演は、後者の概念的な意味での料理、謎解きをした後に(実際に食材を料理した訳では無いけれども)なんか厨房で料理をした感を味わえるという点で面白い作りになっています。

謎と情報量については膨大。実際の問題数を数えてみると、決して大量と言い切れるわけではないのですが、様々な要素が組み合わさってボリューム感が満載です。確かにこれはドタバタしますね。

一方で感じたのは、なんか味わいたいのはそこじゃないんだけれど感。これは決して謎の出来が悪いという意味ではありません。むしろ良くできた謎。ですが、この公演が持つ特性、面白さに関して見たときに、少なくとも私が味わいたかったところが膨大な謎と情報量に流されて、集中して楽しめる状態ではなかったように感じました。

これについては絶対評価は難しいところで、謎解き公演である以上、謎のボリュームをしっかり取るのは間違ってはいません。ただ、個人的にはこの公演ならではのポイントをもっと集中して楽しめる作りにもできたかなと思うので、その点において個人的には、そこじゃなかったんだけれどな感を感じずにはいられませんでした。

問題との相性があわなかった事もあってか正しく評価できるポイントに時間内でたどり着けておらず、もちろんスタッフの方も手厚くサポートをして下さっていたと思うのですが、何か我々がまだ見えていないポイントで対応が難しかったのか、クオリティの高さは感じる物の評価する前に終わってしまうというような不思議な食感となってしまいました。

そこが、私にとっては一番の、謎です。

おわりに

今となってもあれは何だったんだろうと思います。

前説後説もとても楽しかったですし、デザインもマッチしています。仕組みも面白いし、謎も熟れている。無理ゲーかといわれると、確かに初心者には大変だとは思いますが、謎解きにそれなりにいくレベルならば大変だけれどもフェアだとも思いますし、わからんごろしだったわけでもない。

ちょっと気になっているのは、丁寧にみんなで味わいつつ進めると、余裕が無くなり美味しいところが食べられなくなるのかなと感じた辺りかな。

その観点から行くと、阿吽の呼吸で伝わるチームを組んで圧倒的な力で謎をねじ伏せ時間に余裕を作るつもりで挑めば、美味しく頂けるのかも知れないなと感じました。

この辺りどうするかは、難しいですね。

作品情報

タイトル:リストランテ・ア・ルゴールのドタバタキッチン
制作団体:タンブルウィード(日本)

制限時間:110分(解説含む)
プレイヤー人数:チーム戦 1チーム1名~4名
価格:前売り3,300円 / 当日券は+500円

面白い記事を書いていけるよう頑張ります!!