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未来の事を気にしていて(詩)

ようやく飲み込めたよ
心にあった寂しさはありきたりって

ようやく飲み込めたよ
何一つ残らない人生を歩んでくって

普通の人らしく笑って
普通の人らしく座って
普通の人らしく忘れられて
普通の人らしく死んでいく

降り積もった雪が溶けてくように
何もかもが続く訳じゃないよね
でもきっとさよならだけじゃない
歩けるところまで歩いて行こうか

ようやく飲み込めたよ
桜の花びらのように軽い人生だって

ようやく飲み込めたよ
流れ星を見る暇もない人生だって

普通の人らしく振る舞って
普通の人らしく怒られて
普通の人らしく忘れられて
普通の人らしく死んでいく

雪が降って嬉しくなるように
時には良い事だってあるよね
でもきっと排雪作業がいるじゃない
そこまで考えられるようになろうか

遠吠えなんかはもういらないさ
つまらないならなんとかするさ
くだらないならなんとかするさ
悲しい気持ちなら預かっとくさ

降り積もった雪が溶けてくように
雪が降って嬉しくなるように
きっとこれから色々あるよね
何もなくてもそれを全うするよ

寂しい時だけ思い出のかけら握るさ
だから、過去に失望なんかしないで
未来の事を気にしていて

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