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ピーマニスト

私はピーマン大好き人間である。

近頃は「タピる」という言葉が若者の間で大流行中だが、「ピーマる」同士を見つけるためにも私のピーマン事情について纏めてみたいと思う。

私は如何にしてピーマニストになったか

私がピーマニストになったのは同じくピーマニストである父の影響が多分にある。

肉詰め、野菜炒め等の基本的なメニューが食卓に並ぶことはもちろん、父の作るカレーには大量のピーマンと獅子唐が入っていたし、弁当のおかずには、毎日細切りにしたピーマンのきんぴらが添えられていた。

小学校の授業でプランターで野菜を栽培することになった時も、真っ先にピーマンの苗を手に取ったのを覚えている。

「そこにピーマンがあること」は私の人生にとって至極当たり前なことなのである。

しかしながら、どうやら私がマイノリティであると気づかされたのは、忘れもしない、高2の日本史の授業の際の雑談であった。


何故ピーマンは毛嫌いされるのか

担当の男性教員は毎日自分で弁当を作っているという。その理由が、

「妻に料理させたら、味噌汁の具がピーマンだった」

からだというのだ。

教員に同調し、ピーマンの味噌汁をバカにするクラスメート達をよそに、私は1人憤慨していた。

ピーマンの味噌汁!なんと美味しそうなメニューであろうか。ピーマンの持つ適度なスパイシーさと苦味を活かせそうなメニューではないか!奥様は素晴らしいアイディアをお持ちだ。

それに比べてクラスメート達はピーマンの味噌汁を食べたことも無いのに完全にそのイメージだけで不味いと断定している。私は怒りを通り越して悲しみすら覚えた。

何故そんなにもピーマンは食わず嫌いされなければならないのか。

思えば幼少期、TVの幼児向け番組では「ごめんねピーマン」という曲が流れていた。ピーマンがどうしても食べれない子供をテーマにした歌だったと記憶しているが、あの曲によって「子供が苦手な野菜の筆頭格」のポジションを担ってしまった感が少なからずある。

つまりピーマンは某公共放送の加担もあり、不当な立場へと追いやられたのだ!(極論であることは自覚している)

他にも子供が苦手な野菜は数多く存在するにも関わらず、何故ピーマンは迫害されるのか。トマトだって今のピーマンと同じポジションに成り下がった可能性もあるのではないか?

その日の昼休み、私は1人ピーマン愛を貫き通すことを決意し、弁当のピーマンのきんぴらを口に運んだのだった。


「ピーマる」のすすめ

ピーマン愛を拗らせた私は、定期的にピーマンを大量摂取しないと生きていけない身体になってしまった。

幸いにも、近頃は無限ピーマンやピーマンポテトサラダといった新しい居酒屋メニューも普及し始めており、ピーマンを様々な調理法で楽しむことが容易になっている。

そんな中、手軽にピーマることが出来るオススメスポットを紹介したい。

ワタミグループが全国展開しているチェーン居酒屋「三代目 鳥メロ」である。

こちらの店舗は、文字通り鳥料理がメインの店なのだが、実は多彩なピーマン料理を廉価で楽しめる名店でもある。

まずオーダーするのは「ピーマンのおひたし」。鰹節と出汁が、火の通ったピーマンと相性抜群である。

続いてオーダーするのは「ピーマンの串焼」。こちらは専用の味噌ダレに浸けていただく。

この手の焼き物は獅子唐しか無い場合がほとんどなのだが、ここでピーマンを繰り出してくる辺りに鳥メロの素晴らしさがある。

しかもこれらのメニューはたった199円という驚きの安さ。私のように大量に摂取したい人間のための価格設定ではないかと思ってしまうほどである。

そして極めつけのメニューが「ピーマン好きのつくね(399円)」。

こちらはピーマンの代表料理である肉詰めを良い意味でレストアし、生ピーマンとつくねに分離してしまったという衝撃の料理である。

一見手抜きのようにも思われるかも知れないが、勿論個々のパーツの美味しさも楽しめるし、生ピーマンの爽やかさがつくねの脂っこさを打ち消し抜群のマリアージュとなる素晴らしいメニューで、私は一瞬で虜になってしまった。

また、こちらのメニューは半分に切った生ピーマンが3ピースついてくるので、ポテトサラダやチャンジャといった他の居酒屋メニューとの相性を楽しむことも可能である。正しくピーマン好きのためのメニューなのだ。

是非皆さんも手軽にピーマンライフを楽しみ、その素晴らしさを体感していただきたい。


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