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書籍『のえまる』

最近私は自分の部屋とリビングの往復を繰り返しながらkemioが言うようなまさに“正月”のような日々を送っている。そうは言っても職探しはしなければならないから自分と向き合って自分の本質に問いかける日々が続く。いくら悩みのない私でも時々、ふわふわと正体のよく分からない未来を覆う厚い雲みたいな不安が押し寄せる。私の軸が果たして社会に出て通るものなのかとか、頑固な割に小心者だったりする。


そうした中でやっぱり私の目を覚ましてくれて、寄り添ってくれるのはアイドルだった。

それは先日投稿されたのえるくんのとらまる1*(a.k.aのえまる)である。

のえまるはオタクのはてブロ並みに長い。読んだ後達成感すら感じるのえまるだけど、今回のは書籍化して毎日読みたいと思うほど大切にしたい文章だった。

いつも冒頭から今日も生きててえらい!とのえるくんは褒めてくれる。そこから8スクロールあたりくらいにお話ししたい部分がある。勉強のやり方を教えてくれるのえるくん、普通ってなんだろうと疑問に感じたのえるくんなりの考え方の二つの話題について。

まず一つ目の勉強を教えてくれるのえるくんについて、感想としてはのえるくんは比喩がとんでもなく上手。言葉の選び方、使い方が上手。それぞれの人に合わせて身近な話題を持ってくることによって理解を促す。先生になってほしい。講演してほしい。

「自発的に勉強するという行為を通して人間は学習していく」

のえるくんのおっしゃる通りである。オタクだって誰かにこのグループええやろ!とゴリ押しされて見てみるかあ、となるより“自発的”にこのグループめっちゃええ!と感じてツイッターやらはてブロ、youtubeで調べていく方が心の中でピンとくるように、能動的な行為がなければならないんだよなあととても納得した。こうして「どの分野でも勉強をしていくと人生の味わいに深みが増していく」のだな、と。何も知らないゼロのフラットな状態から勉強して積み重ねていって、そんな積み木が自分の中にいくつもできていくのはとても楽しい、カラフルな積み木を見ながら自分を好きになることもできる。

次、普通ってなんだと思う?の問いに対してののえるくんの考え方。

わたしは新米なので今までののえるくんに詳しくないけど、それでもアイドルを“表現者・発信者”として務めるのえるくんの存在がいかに大事であるか、大きな存在であるかはわかる。のえちゃからじらーでのえるくんは「好きや楽しいに性別の壁はいらない」と発言していたりと、今ある私たちがもやもやと抱えているグレーな心をのえるくんはすっと軽くしてくれるような気がしてる。ということで話が脱線したけど普通ってなんだろうのお話について。

「最初にこんな考え方の人もいるんだなぁくらいに聞いてください」と前置きがあるんだけど、この自分の考え方に賛同も反対もなくていい、ただ僕の考え方はこうだと、一個人としての普通についての考えを提供してくれているところがとても素敵だなあと思った。

『それと今まで“普通”だと思っていた事は「“普通”ではなく知識不足から生まれた“あたりまえ”」だったんだなと、思うようになった』という部分には読みながらぶんぶん頭を振って頷いた。それは昨年の留学を通して私が本当にずっと感じていた事で、“あたりまえ”とは時として勝手に作られた武器の言葉になるなあと。“あたりまえ”が時々武器となることは『ブラック校則』を見たときに特に感じた。「なんで髪色は黒色じゃないといけないの?」という生徒の投げかけに、先生たちは「校則だから黒に染めてくるんだよ、あたりまえだろ」という。この“あたりまえ”はまさに知識不足であり、なんの意図もパワーも持たない言葉で、のえるくんの言う通り「正義を取り違えて振りかざしている」ように思える。大人が子どもにそんな正義を武器として取り違えて振りかざしてはいけない。『ブラック校則』はそんな“普通”や“あたりまえ”をきっかけとした映画だと思う。早く配信されるといいな。(悲しくもDVDは販売延期になってしまったから…)(でもhuluではミニドラマが見れます)

また話が飛躍して今度はブラック校則の話になったけど、のえまるの中で私が最も印象に深く残り、今後も心に留めておこうと思ったのは「普通と正義とを勘違いしてはいけない」という言葉自分の“普通”は相手の、みんなの“普通”ではない、と改めて気づくきっかけになった。普通=正義にして誰かを傷つけることはあってはならないと今回の「のえまる」という本が教えてくれたように思う。

最後にまとめると、のえるくんの存在は大きくてすごい。

(これだけ話しておいて急に感想文になった…)

のえるくんはトラジャの中に影響を与えるだけでなく、私たちファンや、ジャニーズにも考える機会を与えてくれる素敵なインフルエンサーだと思う。今回ののえまるを通してわたしはのえるくんのお話をもっと聞きたいと思ったし、アイドルとして言葉を発信してくれてありがとうと伝えたい。自分ともう一度違う角度でも向き合ってみようと思えた、そんな素敵な読書時間になった。


1*:Johnny's webにてTravis Japanのメンバーが4日ごとに投稿している連載のこと。

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