2024/3/29

わたしの将来

あの人の将来
交わらない

場末のスナックで繰り返される溜め息みたいな

そんな未来しか見えない

水晶玉の中の
暖かい日差し
会話のないふたり
あきらめている

子どものいないただの男女が
無為に時をかさねて
何が残る、んだろう

残りかすみたいな絆みたいな
ごみみたいなやさしさともどかしさと
つまらないって気持ち

もしも、
もしもを繰り返して

何も残らなかったと思うんだろう
あなたとは言葉で会話したことなかったから
身体に逃げた
目線や息継ぎ、口の端とか、体温とか
ほんの少しを手がかりにギリギリで繋げてきた
そんな関係が

ぼろぼろのスカスカになる

見える

見えます

あなたの将来
私の絶望

きっと先にあなたが死んで
わたしはほんとにひとりぼっち

空を見て、
溜め息をつく

私はあなたのヒロインじゃなかった

お助けキャラでしかない
一生、
はじまりの村で、あなたの帰りを待つ
ママみたいな

遠い距離

あなたと結婚して

子供が欲しかったのね


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