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個人がAIを活用する時代

あんたはAIってテクノロジーが俺たちの生活にどんな風に溶け込んできているって思っているんだろうな?

やれAIが仕事を奪うだの、AIが生産性を向上させるだの、その影響力の大きさみたいなもんは、日々のニュースの中で嫌ってほど聞いているよな。

でも、具体的にどんな活用がされているのかって、案外知らないもんだよな。

今回は、今この瞬間に実際にAIがどんな風に活用されているのかってやつをまとめてみようって回だ。

結構、マジですごいぞ。これ。

AIと農業

最初に俺の低めのアンテナに引っかかってきたAI活用事例が農業におけるAI活用だった。

農業って第一次産業っていうくらいだから、無くならない職業の一つだよな。
でも、その作業の過酷さは俺たち会社勤めのヒトにとっては、想像を絶するものがあるって聞くよな。

今回、俺が見つけたのがきゅうり農家でのAI活用事例だ。

農業の作業内容については、俺も全く知らなかったんだが、同じ農業の中でも果菜類(きゅうりだとかトマトだとか実を食べる野菜)の農作業ってものすごい手間がかかるらしい。
農業の自動化が進んでいると言われている中で、果菜類に関する農作業はまだまだ手作業が残っているからなんだってさ。

で、その手作業の中の20%の作業量を締める作業。
そいつが出荷作業なんだそうだ。

出荷作業って収穫作業と違って、作業量を増やしても売上に直結しない。
いわゆる固定費に属する作業なんだそうだ。

この出荷作業を効率化することで、品質管理などの売上に直結する作業にシフトしていくことが出来る。結果としてきゅうりの農作業の生産性向上につながるってスンポーだ。

出荷作業の難しさ

で、この出荷作業。何が難しいのか?
出荷作業の中でも最も難しいのが選別作業だ。

選別作業ってのはきゅうりの出来を判断して等級に仕分けするって作業だね。

そんなもん、出来っぷりを見て判断すればいいだろ?ってあんたは言うかもしれないな。
でも、相手は植物。厳密な意味では全く同じ形のものは存在しない中で選別するには長年の経験ってやつが物を言う。

ところが、この経験ってやつは個人の中で蓄積されていくので、共有することがものすごい難しい
同じ農家のお父さんとお母さんで同じ基準で選別するってのは想像を超える難しさがあるってことなんだ。

選別作業をAIで効率化する

で、その難しい選別作業をAIで対応することが出来るんじゃないかって考えた御仁がいた。

小池誠さんという元エンジニアのきゅうり農家さんだ。

小池さんはGoogleの提供しているTensorFlowというAIのフレームワークを使ってきゅうりの画像解析をするってことを思いついて実用化まで持っていったヒトだ。

小池さん曰く、昨今のAI技術、特に画像認識の技術の発展によって、AIはヒトの目の代わりになってきているってことらしい。

確かに普通にGoogleフォトとかでも、写真の検索で文字を使った検索をしてみるとわかるが、別にタグ付けもなんにもしていないのに、「神社」って検索したらあんたが撮った神社の写真が検索されてくるもんな。

まさにヒトの目の代わりとしてAIが働いているってわけだ。

昨今のAIの急激発展をもたらしているのがディープ・ラーニングと呼ばれる機械学習の手法なんだが、こいつを「きゅうりの選別」という非常に限られた領域で用いることで、非常に精度の高い選別が可能になる。

小池さんは熟練者が仕分けしたきゅうりの写真を2475枚を機械学習にかけた上で、その学習を終えたAIにきゅうりの画像を選別させてみたそうだ。

結果は80%の精度。まずまずの結果だ。

更に精度を高めるために、小池さんは今も試行錯誤を繰り返しているそうだが、80%の精度がもたらしている効率化の威力ってのは割とえげつない。

実際、現場の作業はこの自動判別によって40%削減されたってことらしい。

全きゅうり農家の作業の20%の作業の40%が削減されるわけだから全作業の8%の削減ってわけだ。

小池さんの農家の年間労働時間が8,075時間というから、ざっと646時間の削減だ。ざっくり80人日の削減だ。すごくね?

ポイントがこの仕組を作り上げたのが小池さんという個人の取り組みで出来てしまうって事実だ。

俺たちは誰でもこのAIの技術を活用できる今という時代を生きているってことだ。

さて、あんたはどうする?

この個人がAIを活用できる時代に何をどうやって行こうか?

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