子供を利用する大人
なにかに思いを込めて生きる。
それって素敵な響きを感じる言葉だよな。
実際、俺たちの周りにはそういう「思い」をもって生きている人々が結構な数で居る。
あるヒトはカメラ片手にありとあらゆる人と関わりを持って世界と接し続けているし、あるヒトは本当に愚直としか言いようのない地道な作業を繰り返すことで世の中を良くしようとあがきまくっている。
それらの「思い」はすごく魅力的に俺たちオッサンに映る。
今回は、とある少女の世界に対する主張とその主張に対する大人たちの反応について触れてみる回だ。
その少女は世界に対峙している。
その対峙の姿を学んでみようってこった。
まあ、何が出てくるか。
お楽しみお楽しみ。
その少女の名前はグレダ
今回、俺の低めのアンテナに引っかかってきたのがグレダ=トゥーンベリという人物の名前だ。
このなんとも普通に見える少女がなぜ俺のようなオッサンのアンテナに引っかかったのか。
そいつは世界のおじいちゃん、トランプ大統領のこんなツイッターからだ。
「グレタは自分の怒りを制御することに取り組み、古き良き映画を友達と見に行ったらいい!」
いや、なんのこった?って話だよな。
このグレダさんは環境活動家として、アメリカの超一流雑誌のTimes誌に今年の人として選出されたらしい。
その主張の内容が非常に的を射たものだったために、多くの若者が環境に対する問題意識を持ち、彼女の言葉をきっかけに活動に身を委ねているという人物だ。
従来より、環境問題は存在しないと豪語しているトランプおじいちゃんは、その活動そのものがお気に召さないってわけだな。
ちなみに、このツイッターを受けて、グレダさんのツイッタープロフィールはこうなったらしい。
「怒りの制御に取り組む10代。今は落ち着いて、古き良き映画を友達と見ている」
まあ、オモロイわな。
インターネットが生活の一部になっている世界においては、こう言うセンセーショナルなヒトが求められているってことなんだろう。
グレダさんのとった選択
グレダさんは環境問題に対して、危機的とも言えるような感覚で臨んでいるように見える。
二酸化炭素の増加による温暖化がもたらす環境への深刻な問題に対して、俺たち大人が全く動こうとしていないことに対して、怒りにも似た表現で世界に対峙している。
普通ならそんな問題を聞いたとしても、行動なんて起こさない。
おれもあんたもそう思うじゃんか?
グレダさんは違った。
ストライキと称して環境問題に対する訴えをツイッターやインスタグラムに投稿して、学校に行かなくなったそうだ。
普通に考えると「何やってんの。学校いけよ」になると思うんだが、その活動に対して、環境活動家の大人たちが反応した。
その結果、多くの若者がグレダさんの活動に反応してストライキと称して学校を休んだり、何らかの活動を起こした。
活動する子供。利用する大人。
このニュースをきっかけにグレダさんの活動を調べてみて思ったことがある。
どんだけ子供を利用しているんだ。俺たちは。
環境問題が深刻なのはわかる。
それに対して対策をねっていないって主張もわかる。
でもよ、それで子供が学校に行っていないって状況に対して「ダメだ」って言うのが俺たち大人の責任じゃないのかってさ。
その主張は分かった。その事をきちんと俺たち大人が抗議するから、あなたは抗議するための武器を磨きなさいって言うのが大人の役割なんじゃないか?
トランプおじいちゃんの何の戦略性も感じないツイッターを支持するわけじゃないが、グレダさんを人身御供よろしく祭り上げている大人たち、つまりは俺たちそのものにも嫌悪感のようなものが湧き上がる。
環境問題が大事だと俺たち大人が感じたのであれば、そこに作るべきはグレダさんのようなアイドルではなくて、その問題そのものが持つ本質の共有なんじゃないか?
なあ、あんたはどう思う?
俺たちは、問題の本質よりもセンセーショナルな活動に目を向けてしまっていると思わないかい?
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