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誰もが納得するための資料

あんたも仕事で打ち合わせってやっているよな?

打ち合わせってのはなんともやっかいだ。絶対に避けて通ることが出来ないくせに、そのコントロールたるや、筆舌に尽くしがたい難しさがある。

特にステークホルダーと呼ばれるそのプロジェクトの方向性を決める権限を持っている人たちを集めた打ち合わせってのは極めつけだ。

そこにあるのは利害関係の対立だ。各々が各々の思惑の中で打ち合わせに臨んでいる。

そんな打ち合わせをコントロールしなければならないのがプロジェクトマネジメントの役割と来たもんだ。

今回は、そんな打ち合わせを行う前に出来ることを考えてみる回だ。

まあ、ちっとは役に立つかもしれないから付き合ってくれよな。

打ち合わせ資料を作るということ

プロジェクトを引っ張っていくために必要なもの。
それが資料だ。

当たり前っちゃー当たり前なんだが、打ち合わせがうまく収まるためにはその打ち合わせの落とし所ってやつに対して、道筋を立てていくってことが大切だ。

AさんとBさんと自分たち。各々の立場で求められていること。
そして、その3者が腹落ち出来ること。

それが資料に求められていることなんだよね。

その腹落ちってのは「仕方ないなぁ」のケースもあれば「それは素晴らしい!」のケースもあるとは思う。

大事なのは誰か一人の「素晴らしい!」ではなくて、全てのひとの「仕方ない」のほうが価値があるってことなんだと思うんだ。

誰しもが納得するというのは案外難しい。

あちらを立てればこちらが立たないってことは往々にして起きる。

最悪なのは誰か一人の「素晴らしい!」のために誰かが解決不能の課題を抱え込む状況だ。

そんな状況が生まれてしまうと、そのプロジェクトは絶対にうまく行かない。なんつっても解決不能なんだからな。

その多数のステークホルダーの落とし所を形にしていくのが資料ってわけだ。

資料の書き方

資料は当たり前だが、結論から書く。

でも、その結論ってのが何なのか。
場合によっては、スケジュールなのかもしれないし、得られるメリットなのかもしれない。

でも間違っても「価格」から書き出してはいけない。価格から議論してしまう先にある結論は、コストの削り合い。つまりは、プロジェクトの品質の削り合いになってしまうからだ。

コスト削減は当然だが徹底的にやるべきだ。
だが、そのときに必要なものと不必要なものの線引は一切ぶらしてはいけない。

そのためには必要なものが「必要である」という物語が必要になる。

その物語はどこから生まれてくるのか?

それはプロジェクトが始まるときに計画されるプロジェクト計画書の冒頭に記載されることになっている。

プロジェクト憲章だ。

そのプロジェクトは何のために行われるのか。その目的がそこに記載されている。

資料を作るときには、そのプロジェクトの目的は何だったのか。そのことを常に意識して作ることが最も大切なことだ。

何しろ、ステークホルダーはその目的だけは共有しているわけだからな。

小手先の資料術

まあ、そんなお題目はわかるよ。
でも実際にその資料ってどうやって作るのよ?

あんたはそう思うかもしれないよな。

そんなあんたに向けて、ちょっとした小手先の技ってやつをお伝えしよう。

(1)目立たせたい言葉はフォントを大きくする

目立たせたい言葉のところを太字にしたり赤文字にしたりってのはよく使われる手法だ。

だけれども、案外その表現方法は伝わっていないことが多い。

多分だけれども、あまりにも一般的な表現なので印象に残らないんだろうな。

なので、ここ一番。その資料で最も言いたいことはフォントを大きくしてみよう。

間違いなくその資料を見る人が最初に意識するものは大きなフォントだ。
特に偉い人は細かな文字が読めないお年寄りだからな。

騙されたと思って一回やってみてほしい。

ただ、この方法は多用すると、資料全体が脅迫状みたいなテーストになってしまうから要注意だ。

(2)選択肢は3つ。選ばせたい選択肢は2番目に書く

相手に選択させる資料は3択にしておくのが無難だ。

人間は選択したという事実があると、そこに記憶を伴わせることが多い。なにしろ、自分で選んだわけだからそこに責任感が生じやすいってことだな。

その選択肢を選ばせるためにメリット・デメリットをしっかりと書いておくことによって、「その選択肢を選んだ理由」を用意してあげることになる。

それは、その選択をした担当者がその人の上司に対する説明を出来る材料そのものになる。

そのためにもメリット・デメリットはきっちり書いておこう。

その上で、選んでほしいことは2番目に書く。
人間の心理として3択を迫られると2番目を選びたくなるからだ。

松竹梅の3択があると、一番売れる商品はなにか?

竹なんだと。

松は手が出ないけれど、梅だとプライドが許さない。だったら竹って心理描写がそこにはある。

3択というのは、それを選ぶ人に対して「逃げ」を用意してあげるってことに他ならないってわけだな。

なあ、あんたもいろいろな資料を作っているとは思うが、どんな工夫をしているんだい?

あんたが必死に考えていること。俺にも教えてくれよ。

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