システムエンジニアがnoteを取り巻くサービスを考えてみた
サービスとしてのnote.mu
note.muを使い始めて少し経ったが、どうも自分はこのnote.muというサービスを誤解しているような気がしてきた。
自分のイメージでは、このnote.muは様々なサービスを内包しつつ、単体でコミュニティを形成できる場を提供してくれるサービスだと考えていたような気がする。
様々なコンテンツの売り買いを通じて、売り手と買い手、もしくは買い手と買い手の間で様々なコミュニケーションが行われ、それによって更なる売り買いを促進するものだと考えていたような気がする。
ところが、note.muにはコミュニケーションの道具立てが非常に少ない。
コンテンツに対するコメントを残せるくらいで、メッセージのやり取りをする機能もないし、掲示板のように議論を交わすための場もない。
そこでいろいろな不満が湧き出てくる。
「なんでこの機能がないんだ!」
多くの声が発せられている。
しかし、これらの声に迅速にサービスを変容させることは実は得策ではない。なぜなら、それらの要望事項はごく表面的なものになりがちであるし、note.muがサービスとして提供しているもっとも重要な機能と直接的な関係があるとも限らない。
note.muが提供する最も重要な機能とは何か?
それは手軽な決済機能の提供である。
多くの個人でコンテンツを売ろうというたぐいの人々は、そのコンテンツを持っていたとしても、それを売るための手段は今まで非常に敷居が高かった。その敷居を一気に下げてくれたのがnote.muだと思う。
そう考えてみると、note.muに期待するべきはその決済機能回りの拡充(クレジット以外の決済方法の追加やnote.muユーザ以外への決済手段の追加など)であり、決してコミュニケーションツールとしての拡充ではない気がする。
コミュニケーションツールとしての不足するもの
さて、コミュニケーションツールとしては不足部分が多くあるnote.mu。足りない要素をまずはまとめてみようと思う。
(1) 検索できない
(2) ユーザ別のポータルサイトがない
(3) コラボレーションのためのメッセージやり取りができない
(4) コラボレーションのための議論が交わせない
(5) ファンサイトとしての掲示板機能がない
自分も勘違いしていたのだが、note.muは決済機能を提供しているのであって、ショッピングモール機能を提供しているわけではない。
note.muは基本、一つ一つのコンテンツに対する販売ページを用意してくれるだけのサイトだと考えるべきだ。少なくとも現時点では。
コンテンツに対する広告を打つ機能もなければ、コンテンツに誘導するための検索機能やカテゴライズ機能はそもそもないのだ。
そのため、コンテンツに誘導するための検索機能や、リピーター確保のためのポータルサイト機能、顧客とのやり取りのためのメッセージ機能やファンの交流のための掲示板機能も、本来note.muが担うべき機能ではないという考え方もできる。
それじゃどうするんだよ!という読者のみなさんの声が聞こえてきそうなので、自分なりの意見を記させていただこうと思う。
ポータルサイトの外部化
まず、note.muに目次ページを作られているみなさんがいらっしゃるが、ブログと同じように、目次ページそのものが過去のコンテンツに埋もれてしまうため、あまり効果的とは言い難い。
しかし、単純にnote.muのユーザ単位で外部にポータルサイトを設けたとしても、それは単純にnote.muのユーザ別のページを見やすくしただけのものになってしまう。
買い手の側からいえば、星の数ほどあるコンテンツに対して、買い手が求めるコンテンツに至るためには、単純に「作者」という切り口では足りないのだ。
では何が必要なのか?
それは「文脈」だ。
文脈のある本棚という言葉を聞いたことがあるだろうか?
たとえば、自分の好きな本屋さんに下北沢にある「ヴィレッジヴァンガード」さんに行くと、いわゆる本屋さんのカテゴリごとの陳列とは全く異なる陳列をしていることに気付く。
新渡戸稲造さんの武士道の隣に刀型の傘が売っていたり、「鷹の爪」のグッズと「スキージャンプペア」のコンテンツが隣に売られていたりと、売り手の「意図」が如実に表れた売り場構成になっているのだ。
文脈のある本棚という言葉は昔から言われていることなのだが、日本の出版業界の業態から、日本の本屋さんは自分で仕入れるべき本をチョイスしないという状態が続いているため、なかなか広まっていない。※この辺は根が深い問題なので、また別の機会に
つまり、コンテンツを売るためには売るための文脈を用意する必要があるということだ。
売るための文脈とは、一つのストーリーにそったコンテンツの陳列である。現在のnote.muでは、このストーリーに沿った陳列をする仕組みがないわけだ。
陳列のストーリーの切り口は様々なものが考えられる。
たとえば、冬顔さんの
D:Note(https://note.mu/w_interface/n/n73209131997c)
のように、世界観という切り口で多くの人のコンテンツが結ばれていくようなものはポータルとして機能しやすいと考える。
つまり、ポータルは一人の作者のコンテンツを結ぶばかりではなく、多くの人々のコンテンツを結ぶものでもある必要があると思うのだ。
そのためにポータルは多くの人が自由に更新できる仕組みにする必要がある。ここでいう多くの人というのは不特定多数の人ができるという意味ではなく、ポータルを共有する人びとという意味だ。
そういう意味では、
http://ja.wikia.com
のようなサイトは使い勝手がある程度あるようにも思える。
問題は
問題は、やっぱりどのような文脈を用意するかだ。とりあえず、自分は「システムエンジニアの」という観点を文脈に添えようとしてみているが、いかんせんコンテンツとしての貧弱さは否めない(^^;)。
文脈を作り出すためには、多くの人の意見が必要になるところだ。
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