劇場版名探偵コナン 探偵達の鎮魂歌(2006)

私的星4.5つ★★★★☆
鎮魂歌とかいてレクイエム。
依頼人としてコナン達を巻き込んだのは伊東末彦。コナン達が真相を突き止めるように命じられた西尾正治殺害事件の犯人は清水麗子。

今回は服部平次、怪盗キッド、後に変装だとわかるが白馬探まで登場し、どれも適度に見せ場があったのが良かった。
調査依頼は暗号から謎を解いていくもので、少し停滞していたようにも感じたが、風呂敷を広げすぎなかったかわりに、こじんまりとしたがまとまった印象。

犯人だった清水麗子に振り回され、依頼人の伊東末彦も男女が秘密を共有することは愛し合うなかで大切で、犯罪という最大の秘密を共有すれば…ととぼけたことを抜かしていた。愛する人の名前、というパスワードでも清水麗子ではなく自分の名前という、同情が難しい人物。
清水麗子も、美人で自分勝手で、平次とコナンを追い詰めたものの、過去作に出てきた女性の犯人にあった美しく強い印象がすくない、あまり良い見せ場のなかった犯人だった。
足を痛めたコナンが、キック力増強シューズでボールを蹴り清水麗子を気絶させようとしたところで、平次が天井に斧を刺し、軸足がいらないようアシストしたところがとてもよかった。
あと、先に伊東末彦に自分の推理を伝えようとした小五郎を止めるためとはいえ、灰皿で小五郎を殴り気絶させた服部平次が見られるのはおそらく今作だけだろう。

この悪意のある切り取り方をしたら言い逃れできそうにない画像。  

妃英理や、平次や和葉の父をはじめとする大阪府警なども登場し、出演キャラクターは豪華に感じる。
今回キッドは鈴木園子のフリーパスIDを盗み、白馬探も今回の依頼を受けているかのように接触、最後に残った爆弾付きフリーパスIDをジェットコースターからハンググライダーで颯爽と回収する手際の良さ。
今作だと後に毛利小五郎役の小山力也さんや、安室透として登場する古谷徹さんなどが登場していたのが少し不思議な感じ。大谷育江さんも産休の時期だったのか、光彦は折笠愛さんが演じている。

今回阿笠博士は、少年探偵団を見守る保護者としてかなり良かった。22時になったら爆発することを知り、子供たちだけにはさせておけないと一緒に死ぬ覚悟をみせるところが素晴らしい。

使用したアイテム
腕時計型麻酔銃、蝶ネクタイ型変声機、キック力増強シューズ、ボール射出ベルト、探偵団バッジ、伸縮サスペンダー、ターボエンジン付きスケートボード

壊れたもの
毛利小五郎がレンタルした車、深山美術館、ファーイーストオフィスがあるビル

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