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2拠点生活のススメ|第24回|2つの拠点、それぞれのギター

歌いたくなったらギターを手に取る。だから、徳島にも川西にもギターを置いている。自分が歌うがためのギターだから、人とセッションするのは苦手だし、正直ギターの腕はたいして上達しないまま。それでも、付き合いは長く、もう50年近くギターを弾いていることになる。今日のnoteは、そんなギターのお話。

海のギター

徳島に拠点を開いて、引っ越しの際、ダイニングテーブルや食器などと共にギターも最初に持ち込んだ荷物の一つ。自分の基地となるところには、やはりギターをそばに置いておきたかったんだと思う。

ギターを最初に手に入れたのは、確か中学2年の時。お年玉を貯めて買ったモーリスの小ぶりなフォークギターだった。「モーリス持てばスーパースターも夢じゃ無い」そんな宣伝文句に踊らされて買ったような・・・。

当時はフォークブームと言うことあって、なかにはすでにリードギターを覚えてセッションしている人たちもいた。そんな達人を味方に付け、アリスのコピーバンドを気取って遊んでいた。

その中に女の子も一人いて、大きなギターに指が追いつかず苦戦をしていたので、「これ弾いてみる?」と私の小振りなギターを渡すと、たいそう気に入り、交換しないかと持ちかけてきた。本当は、そうなるんじゃ無いかと見越して渡してみたのだけれど・・・彼女のギターの方が多分いいギターだったので、待ってましたとばかり、その場ですぐ交換したのを覚えている。

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徳島に置いているギターは、その時交換したYAMAKIというメーカーのギター。「ヤマキ」の名は「山幾」に由来し「山の木が喜ぶ」という意味から「木の本質を活かした楽器を作る」という思いが込められた名前らしい。そんなヤマキギター、50年近い年月を重ね、とてもよく鳴るようになった。バイオリンもそうだけど、ちゃんと作られた木の楽器は、年月を重ねて乾燥が進み、弾き続けることで、響きがどんどん豊かになっていく、まさに生き物なんですね。


山のギター

川西には、3本のギターがある。仕事をするようになって、少しはお金に余裕が出ていいギターを欲しくなった。最初に買ったのはオベーションのエレアコ。先輩が弾いていて一目惚れした。ただUSAモノは高くて手が出ず、中国製を買うことにした。当時はライブなんて夢のまた夢、家でポロポロとアンプを通さずに弾いていたのだが、オベーションはアンプを通さないと魅力は半減。生音は、木で作られたギターに遠く及ばず、次第にまたYAMAKIに手を伸ばすことが多くなっていった。

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30代も後半になって、とにかくいい生音のするギターを欲しくて我慢できなくなった。ビンテージギターの枯れながらも豊かな表情を見せる音に心惹かれ、ギブソンのビンテージを探し始めた。折しも当時、山崎まさよしやスガシカオ、奥田民生といった売れっ子ミュージシャンが愛用していたこともあり、価格も高騰。タマも少なくて、置いてあると聞けば、あらゆる所に見に行った。

そうしてついに手に入れたのが62年のギブソンJ45。私と同い年のギターというのも気に入った理由。ネックを付け替えた跡があり、細めのネックになっていたことで、思っていたより安く手に入れることができた。最初はそこまで鳴る感じは無かったのだが、木のブリッジを牛骨に交換し、調整をしてもらうことで、少しずつ真価を発揮するようになった。40代になって、弾き語りライブに参加するようになり、ガンガン弾いているとどんどん豊かな音が出るように。やっぱりギターは弾いてないとダメなんだな。

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50代になって、優しい音色のガットギターに心惹かれるようになった。ライブでも使いたいのでエレガットにしようと探し始めたのだが、いいものは高いし、クラシック仕様のものはネックが太すぎて、ギブソンとのギャップがありすぎて扱いが悪い。唯一TAKAMINEのエレガットはネックが細めで、弾きやすかったので、中古のいい出物がないか探し回り、神戸の楽器屋でようやく出会うことができた。

ナイロン弦が醸し出す、ガットギター特有の暖かい音色。不思議なもので同じ楽曲をギブソンで歌うのとガットで歌うのと、自ずと歌い方が変わることを発見した。

こうして書くと、いかにもギターが上手そうに聞こえるが、今でもギターの腕はたいしたことが無い。だけど、やっぱりギターが好き。最近はコロナの影響もあってライブも無いので、あんまり弾けていないけど、ギターだけは何処に移住しようと必ず手元に置いておきたいなと思う。




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