2拠点生活のススメ|第328回|学ぶ楽しみ
一緒にお笑い番組を見ながら、隣で編み物をしている妻。
思わず笑ったり、感想を言い合ったり、その間も手が止まることは無い。何を編んでるの?と聞くと、レッスンのための課題サンプルを編んでいるとのこと。彼女はニット作家を生業としていて、あちこちに教室を持っている。
お笑い番組を見ながら、実は仕事をしている。
そのことがとても新鮮に映った。自分の仕事ではあり得ないことなので、いろんな仕事のやり方があるもんだなと独り言のつもりが、何気なく口に出してしまった。
すると、教室においてはカンタンな技法で、満足感が生まれる作品を考えるのが私の役目。手芸本などの仕事なら、テレビを見ながらという訳にはいかないし、カンタンに編めるからこそ、テレビを見ながらでも編めるのよとの返事が返ってきた。
なるほど、カルチャーセンターやワークショップでは、せいぜい一回2時間ほど。その中で作品が出来上がって、しかも出来上がったものに愛着や満足感を持てるようにしてあげるというのが、大切な要素なんだそうだ。
改めてプロなんだなと感心した。(何やと思てたんと突っ込みを受けそう)
そう言えば昔、友人がやっていた絵画教室のモットーが「鼻歌を歌うように絵を描こう」だった。習い事というのは本来楽しくないと続かないもの。妻の教室も楽しくおしゃべりしながら、手を動かそうというものなんだろうな。
誰もがプロを目指して習うわけでも無いし、習い事そのものが非日常の楽しい時間で、忙しい日々のストレスを少し和らげるものなのかもしれない。自分自身、習うとか学ぶことをそんな風に考えたことが無かったような・・・。
「楽しさが、やる気を生む」
よく考えれば当たり前のことだけど、大切なことだなと改めて気づかされた。
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