見出し画像

2拠点生活のススメ|第91回|ヒッピーの愛した香り

川西でも徳島でも、毎朝座禅を組むときに焚くインセンスがある。インドで学問、富 (金運)の神として崇められている、ヒンドゥーの象の頭を持った少年の神 “ガネーシャ” がマークになっているGONESH STICKS というもの。

インドの神様が描かれているので、ずっとインド製だと思っていたのだが、よく見るとメイドインUSAとある。

スクリーンショット 2021-03-04 15.37.16

ホームページを見ると、第一次世界大戦後の1923年、リトアニア移民である「ローレン・ラドキンス」が、“ヒンズーインセンスカンパニー”という小さなお香製造会社を手に入れ、ワルシャワ工科大学で学んだ工学と科学の知識をもとに、インセンスの生産を始めたとある。ふ〜ん、けっこう歴史があるんだ・・・。

その後、60年代になって、ベトナム戦争などに異を唱え、自由な時間やマインドを求めるヒッピースタイルの若者たちに、GONESHの個性的な強く甘く爽やかな香りと黄金のパッケージがブームとなり、その名を全米に広めたとある。

煙も少なめで、香りもソフィスティケートされているので気に入っていたのだが、ヒッピー達に支持されたアメリカ製と聞いて、妙に納得した。

画像1

その香りはスティックタイプだけで約50種類もある。(写真はその一部)

私は甘い香りは苦手なので、サンダルウッド(白檀)が気に入っているのだが、なかなかお店に置いていないことが多い、人気の無い香りなのかな。確かに白檀というと、日本の仏教的な線香を想像されがち、そんな宗教儀式的な香りは一切しないのになあ・・。

このサンダルウッド、一本芯が通った凛とした香りで、スッと気持ちが軽くなり集中を促してくれる。なかなか、言葉でうまく表現できない香りなんだな・・・。


インセンスの話を書いておきながら何だが、実はけっこう鼻が利く方で、いろんな場所のいろんな匂いがいちいち気になり、嫌いな匂いを嗅ぐと涙が出て、嘔吐いてしまうことも・・・。行動はガサツだが、臭覚だけはかなり繊細なのだ。

自然界にある香りや食べ物の香りなら何の問題も無いが、香水はもちろん、香り付きの商品というものがかなり苦手だ。今や柔軟剤からトイレットペーパーに至るまで、甘い香りが漂い、ある種の香りブームなのかもしれないが、私には大迷惑。

消臭剤でさえ必ず匂いが付いているし、匂いを匂いで誤魔化すというのは納得できない。無香と表示のある消臭剤でも、軽く香りが付いている場合が多い。ウソツキ!、これはほんとやめて欲しいな。

たまにマダムだらけの電車に乗ると、頭がクラクラして、電車を降りたくなる。そんな私が、GONESH のサンダルウッドの香りだけは心地よく感じるから不思議。

香りというものは、記憶と結びついているという話を良く聞く。

サンダルウッドの香りを嗅ぐだけで、心がざわざわしていても座禅モードにすんなりと入れるのは、毎日の習慣で記憶にすり込まれているからかも知れないな。

唯一愛せる香りだけに、GONESHには、100年、200年と続いてほしいものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?