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Illustrator、Photoshopなどに搭載されているPantoneライブラリの廃止について

Illustrator 2022/2023をお使いの方は、次のようなアラートを頻繁に目にしているでしょう。

数年前から予告はされていましたが、Illustrator、Photoshop、InDesignにあらかじめ搭載されているPantoneカラーライブラリが段階的に廃止されるというものです。

https://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/adobe-color.html

現状(2022年11月現在)

2022年11月3日現在、Illustratorには、次のPantoneカラーライブラリのみが表示されています。

  • PANTONE+ CMYK Coated.acb

  • PANTONE+ CMYK Uncoated.acb

  • PANTONE+ Metallic Coated.acb

  • PANTONE+ Solid Coated.acb

  • PANTONE+ Solid Uncoated.acb

薄くなっているテキストが廃止されたライブラリ

当初は、次の3つのみが残る、ということでしたが、11月22日以降、次の3つのみが残るようです。

  • PANTONE+ CMYK Coated.acb

  • PANTONE+ CMYK Uncoated.acb

  • PANTONE+ Metallic Coated.acb

https://helpx.adobe.com/photoshop/kb/pantone-color-books-photoshop.html


実は「こうなる予定…」が何度か変わっていまして、その変遷は.Tooさんのサポートページに詳しく掲載されています。


互換性

CreativePro Networkの記事では次のように書かれています。

True to the warning, when you open a legacy Photoshop file with a Pantone-color-defined monotone, a duotone, a tritone, or another type of spot color channel, such colors will appear not in their original hues but as the default Photoshop black (#000000 hex, or 75C/68M/67Y/90K).

Import that image into InDesign—even the 2023 version—and it will separate into spot colors as expected, with the original color intact.

On importing an image file with a spot color placed into InDesign, that color will also appear in the Swatches panel as expected. But the swatch can no longer be edited.

Pantoneカラーで定義されたモノトーン、デュオトーン、トリトーン、またはその他のタイプのスポットカラーチャンネルを持つレガシーPhotoshopファイルを開くと、そのようなカラーは元の色合いではなく、デフォルトのPhotoshopブラック(#000000 hex、または75C/68M/67Y/90K)として表示されます。

その画像をInDesignにインポートすると(2023年版でも)、元の色はそのままで、期待通りにスポットカラーに分離されます。

スポットカラーを配置した画像ファイルをInDesignに取り込むと、その色は予想通りスウォッチパネルにも表示されます。しかし、そのスウォッチを編集することはできなくなりました。

解説


今後、どうすればいいの?

Pantoneから提供されているPantone Connectを使ってくださいとのことです。

ところが、このプラグイン、最悪に評判が悪い…
使いものにならないようなのです。

Pantone Connectの利用料は月額 14.99 ドルまたは年間 89.99 ドルですが、最近、88%アップになっているようなのです…

とりあえず、このアプリがよいものであれば、必要な方は救われると思うのですが、どうなるんでしょう?…

そもそも何故?

WIREDの記事にまとまっています。

発端は、どうやらライセンスを巡るアドビとパントンとの係争のようだ。

世界共通の色見本「PANTONEカラー」の利用にアドビが課金、新たな施策がデザイン業界に波紋

アドビがそのようなボタンを設置できない理由がありません。設置しないのは、人々がパントンに対して憤慨する状況をアドビがつくり出そうとしているからであるように感じられます。そうした状況をつくって、パントンから譲歩を引き出そうとしているのでしょう

世界共通の色見本「PANTONEカラー」の利用にアドビが課金、新たな施策がデザイン業界に波紋


代替ソリューション(1)

Stuart Sempleさんが“Pantone風の”1280のスウォッチライブラリを無料で配布されています。

読み込んだ後、リスト表示にするとカラー番号から検索も可能です。

アドビとPantoneの社員・関係者は対象外と注意書きがあります。

代替ソリューション(2)

CreativePro Networkの記事で、無料のPantone Connectを使った代替ソリューションが紹介されています。



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