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🌾見て楽しむ秋の七草🌾


お月見も終わり、秋も本番になってきましたね。
お花屋さんの店内も秋一色です。
ところで、秋の七草をご存知ですか?

「七草」と聞くと、1月7日に七草粥を食べる「春の七草」が身近かもしれませんが秋にも七草があります。
「秋の七草」は春とは異なり草花なので食べられませんが、花を見て秋を楽しむ七草です。

今回は、「秋の七草」の種類や覚え方、花言葉、名前の由来などについてご紹介します。

秋の七草とは

秋の七草は万葉集に収められている山上憶良の2首の歌が由来となっています。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」


1つ目の歌で「秋の野に咲いている草花を指折り数えると7種類ある」とし、2つ目の歌で「それは萩の花、尾花、葛(くず)の花、撫子(なでしこ)の花、女郎花(おみなえし)、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花である」と歌っています。
「朝貌」については諸説ありますが、現在では桔梗(ききょう)の事だと言われています。

春の七草が七草粥にして無病息災を祈るものに対し、秋の七草はその美しさを鑑賞して楽しむものです。
見て楽しめるだけではなく薬用など実用的な草花として昔の日本人に親しまれたものが選ばれているのも特徴です。

種類

①萩 (ハギ)

マメ科 開花時期7~10月

「草かんむり」に「秋」と書く、まさに秋を代表する花の1つです。秋のお彼岸にお供えする「おはぎ」の名の由来にもなっています。

〈花言葉〉思案、内気、想い、前向きな恋、柔軟な精神

②尾花 (オバナ)

イネ科 開花時期8〜10月

尾花とは「ススキ」の別名です。
ススキの穂が動物の尾に似ていることが、名前の由来と言われています。お月見にはかかせない植物ですね。

〈花言葉〉勢力、生命力、活力、隠退、悔いなき青春、心が通じる

③葛花 (クズ)

マメ科 開花時期8月〜9月

葛湯、葛切り、葛餅などの原材料として古くから親しみ深い植物です。葛の根を乾燥させたものは「葛根湯」となり、風邪や胃腸不良などの際に用いられます。

〈花言葉〉治療、活力、根気、努力、芯の強さ、恋のため息

④撫子 (ナデシコ)

ナデシコ科 開花時期7〜10月

ナデシコとは総称で、秋の七草では日本固有種であるカワラナデシコを指します。
日本女性の清楚さを表現した「大和撫子」の「撫子」は、この花のことです。可憐な淡紅色の花を咲かせるため「枕草子」の中で、清少納言はナデシコの美しさは草花の中で第1級品であるとしています。

〈花言葉〉純愛、無邪気、思慕、貞節、才能、大胆、いつも愛して

⑤女郎花 (オミナエシ)

オミナエシ科 開花時期6〜10月

花の美しさが美女を圧倒するためという説があるほど、優雅で美しい花として古くから人に親しまれてきました。そのため、多くの歌や句にも詠まれています。また、オミナエシの根と全草には解毒・鎮痛・利尿などの作用があります。

〈花言葉〉美人、親切、はかない恋、心づくし、約束を守る

⑥藤袴

キク科 開花時期8~9月

5mmほどの小さな花を房状に咲かせます。野生は淡紫色の花色で、弁の形が筒状で袴に似ていることからこの名前が付けられました。
乾燥させると桜餅の桜葉と同じ良い香りがするため、洗髪や香水にも用いられます。現在では絶命危惧種に指定されており、野生のフジバカマを見ることはほとんどできません。

〈花言葉〉遅延、躊躇、思いやり、あの日を思い出す、優しい思い出

⑦桔梗

キキョウ科 開花時期6〜10月

花の形の良さから多くの武将の家紋に用いられました。明智光秀をはじめとする多くの武将の家紋にも用いられています。根を乾燥させ粉末にしたものは、痰や咳の薬として使われていました。藤袴と同様、絶滅危惧種に指定されています。

〈花言葉〉清楚、気品、誠実、従順、変わらぬ愛、優しい温かさ

覚え方

*リズムで覚える
覚え方の一つに、5・7・5・7のリズムに合わせて口ずさみ、覚えるという方法があります。

「ハギ・キキョウ クズ・フジバカマ オミナエシ オバナ・ナデシコ」

*語呂合わせで覚える
頭文字の語呂合わせで覚える方法もあります。
代表的な覚え方が2通りあります。好みの語呂合わせを覚えましょう!
また、他の語呂合わせを考えてみることもおすすめです。

「おすきなふくは?(お好きな服は?)」
お=オミナエシ
す=ススキ
き=キキョウ
な=ナデシコ
ふ=フジバカマ
く=クズ
は=ハギ

「はすきーなおふくろ(ハスキーなお袋)」
は=ハギ
す=ススキ
き=キキョウ
な=ナデシコ
お=オミナエシ
ふ=フジバカマ
く=クズ

秋といえば、紅葉のイメージが強いかと思いますが、秋の七草を代表に多くの草花を楽しむことができる季節です。野生では目にする機会の少ない花も、お花屋さんで見ることができます。秋の七草を覚えて家に飾るなど秋の草花を楽しみましょう!



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