バファリンシリーズの違い【鎮痛剤解説】
こんばんは、実はバファリンは未経験のケイタです。イブ系なんです。
鎮痛剤の解説シリーズ第3回です。
今日は「バファリンシリーズ」の解説です。
こうやってブランド別で解説しようと思ったのも、バファリンが原因。
店頭でも説明するとお客さんが「???」って顔するんですよ。
なぜか順に解説していきます。
シリーズの解説だけ見たい方は下の目次から飛んでくださいね。
▼バファリンシリーズ
メーカーHPには全6種類が掲載されています。
一番下の「バファリンEX」は第1類医薬品で、ロキソニンと同成分です。1類取扱いしていても販売していない店舗も多いため割愛します。
商品名の下に記載してあるのが、主成分です。
昨日解説した「イブ」シリーズは、5種類全てイブプロフェンでしたが、バファリンは違うんですよね。
これがややこしいところで、早い話、違う薬です。
「いつものバファリンより効き目がほしいけど、他の薬は怖いからバファリンプレミアムにしておこう…」
みたいな方も多いんですが
「バファリン」と書いてあるだけで全く違う薬です。
イブは家族みたいなもんですが、バファリンは全然かすりもしていない別人同士です。
▼アセチルサリチル酸(アスピリン)とは
バファリンシリーズだけで、現在流通している市販の鎮痛成分はほぼ揃います(ピリン系がないだけです)。
その中で「バファリンA(普通のバファリンです)」に使われている「アセチルサリチル酸(アスピリン)」についてカンタンに解説します。
まず、小児(15歳未満)には使ってはいけません。
ライ症候群を引き起こす原因となり、死亡例もあります。
ライ症候群とは、インフルエンザや水痘などの感染後、特にアスピリンを服用している小児に、急性脳症、肝臓の脂肪浸潤を引き起こし、生命にもかかわる原因不明で稀な病気である。
(※Wikipediaより)
小児の高熱にバファリンAは使用しないで下さい。
バファリンシリーズだと、「バファリンJr」か「バファリンルナJ」がアセトアミノフェンです。小児には必ず小児用の解熱鎮痛剤を使用してください。
そして、日本では2つの名前で流通しています。
「アセチルサリチル酸」と「アスピリン」で、どちらも同じ成分です。
どうして2つ名前があるのかは、長くなるので引用を確認してください。
日本薬局方には「アスピリン」で登録されているため、パッケージには「アセチルサリチル酸」と記載されている商品もありますが、本記事では「アスピリン」とさせて頂きます。
アスピリンには解熱鎮痛の他にもう一つ働きがあります。
カンタンに言うと血液サラサラになる働きですね。
バファリン(他のアスピリン製剤含む)を服用して歯ぐきなどの出血が多くて気になる方は薬を変えてみてください。
日本で他にアスピリン製剤として発売されているのは
バイエルアスピリン
ケロリン
この2種類+バファリンAが有名です。
バイエルアスピリンはアスピリン濃度はバファリンAより低いものの、胃を保護する成分が入っておらず、胃が荒れやすいので注意。
ケロリンは胃粘膜保護を目的にケイヒ末が入っています。
では前置きが長くなりましたが、バファリンの解説に入ります。
▼バファリンA
おそらく日本で最も有名な鎮痛剤ですね。
バファリン=鎮痛剤、鎮痛剤=バファリン…と言う くらいの知名度でしょう。
成分は
アスピリン…660mg
胃粘膜保護…200mg
です。
CMで「バファリンの半分は優しさ」とか言っていましたが、あれはウソです。正しくは「バファリンの1/4は優しさ」です。
という冗談は置いといて、バファリンはアスピリンの弱点である胃への負担を、しっかり補っているという合理的な鎮痛剤なんです。
眠くなる事もなく短期間ならクセにもならないので、普通に使えば優れた解熱鎮痛剤です。
連続で数週間使い続けると「アスピリン中毒」の恐れがあるため、連用はしないでください。
▼バファリンライト
続いて「バファリンライト」です。
何とこのお薬、「効き目が弱い」をコンセプトにしているんです。
アスピリン…440mg
胃粘膜保護…200mg
ご覧ください、これが「(約)半分が優しさ」です。
バファリンAの2/3量に減らされたアスピリンですが、これは「初めて鎮痛剤を使う方向け」の薬です。
いきなりバファリンAは確かに強いので、ますこちらで様子見をするのがベターでしょう。
また、バファリンAが強すぎると感じる方はライトに変えても良いでしょう。
因みに、店頭では全く売れません。
▼バファリンプレミアム
さて問題はここから。
「バファリンA」と「バファリンライト」は親子ですが、ここから全く赤の他人となります。
同じなのは名前だけ、同性の他人と思って頂ければ。
「バファリンプレミアム」の成分は以下の通り。
イブプロフェン 130mg
アセトアミノフェン 130mg
無水カフェイン 80mg
アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル 70mg
バファリンAに入っていた成分は何一つとしてありません。
イブAのイブプロフェンを少なくして、アセトアミノフェンを追加したもの…と思って下さい。
イブプロフェンとアセトアミノフェンは有名な鎮痛剤の主成分ですが、これを合わせているのはバファリンだけです。
ただし、アリルイソプロピルアセチル尿素が配合されているので眠くなります。
詳しくはイブの解説の中の「アリルイソプロピルアセチル尿素」を参考にしてください。
乾燥水酸化アルミニウムゲルは胃粘膜保護成分ですね。
アセトアミノフェンは胃に負担がかかりませんが、イブプロフェンは胃に負担がかかるので、空腹時は控えてください。
胃への負担はバファリンAよりは軽いはずです(個人差があります)。
▼バファリンルナi
続いて「バファリンルナi」。
女性向けのパッケージですね。
成分は以下の通りです。
イブプロフェン 130mg
アセトアミノフェン 130mg
無水カフェイン 80mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル 70mg
「バファリンプレミアム」からアリルイソプロピルアセチル尿素を抜いているので、眠くならない処方となっています。
プレミアムと比較したら、断然ルナiがオススメです。
イブシリーズで最もオススメした「イブメルト」で胃への負担が気になる方は、この「バファリンルナi」にしましょう。非常に合理的な処方です。
女性向けのパッケージになっているので男性に敬遠されますが、もちろん男性にもオススメですよ。
▼バファリンルナJ
最後に「バファリンルナJ」です。
小児用の製品ですね、成分は以下の通りです。
アセトアミノフェン…100mg(1錠)
小児用の解熱鎮痛剤は「アセトアミノフェン」しか使えません。
年齢によって細かく服用量が決められています。
15才以上 …3錠
11才以上15才未満 …2錠
7才以上11才未満 …1錠
7才未満 …服用しないこと
7歳未満は使えませんが、これは「アセトアミノフェンが7歳未満不可」ではなく、7歳未満は100mg以下の使用となるため、錠剤を分割しないと使えないためです。
他の小児用アセトアミノフェン製剤なら7歳未満も使用可能です。
これは別の記事(小児用のカゼ薬、鎮痛剤)で紹介します。
今日はここまでにしますね。
明日は「解熱鎮痛剤の正しい飲み方」について解説します。
ではまた。
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