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「かんたんな言葉」+「簡単な数式」で売り込みをかけろ!

ホームページ、製品資料、お客さまへのセールスピッチなど、自社商品の価値を説明する場面はとてもたくさんあります。特に、販売を目的としたシンプルな説明は、バリュープロポジションと呼ばれます。外資で働いていた頃は、バリュープロポジションという言葉をよく耳にしました。日本語では、「提供価値」などと訳されているようです。

バリュープロポジションは、営業よりも開発よりも、マーケティングがつくり責任をもつことが一般的です。

バリュープロポジションのつくりかた

よくあるバリュープロポジションは、「うちの製品は何でもできます」「多機能です」という、いわゆる全方位型です。製品の長所は多いほうが良い!と言わんとばかりに、製品説明資料や、WEBページ、カタログなどにその長所があますところなく書かれています。

全方位型のバリュープロポジションは、誰にでも作ることができます。なぜなら、お客さまについても、競合についても、市場についても何も知らなくても、自社製品だけを知っていればバリュープロポジションを作れます。こうやってできたバリュープロポジションは、あまりにも短絡的です。

全方位型のバリュープロポジションの問題点は、ベンダーからみたら突出した長所なのかもしれませんが、お客さまからみたら何の価値もない(かもしれない)ことです。特に法人営業などでは、お客さまは自社が抱える課題を解決したいわけです。競合製品がある特徴に特化したバリュープロポジションを打ち出しているなら、「何でもできる」は色あせてしまうでしょう。

競合を加味したバリュープロポジション

全方位型のバリュープロポジションを少し発展させて、お客さまと競合製品をじっくり研究してみましょう。競合に対して優位性にあるバリュープロポジションができあがります。

はたしてうまくいくでしょうか?

そもそもバリュープロポジションを作る理由は、自社製品の価値(バリュー)をお客さまに訴求して納得していただくことです。こうして自社製品の価値を納得していただいたお客さまこそが、実際に自社製品を買っていただけるお客さまになるからです。

確かに競合よりも優位性のあるバリュープロポジションができるかもしれませんが、お客さまのニーズを無視しても、お客さまがあなたのバリュープロポジションを納得していただけません。


お客さまにご納得していただくこと

結局のところ、バリュープロポジションは、お客さまのニーズに焦点をしぼりながら、競合製品よりも価値が高く、お客さまが納得いただけることに留意して作り込まなくてはならないということです。

バリュープロポジションに取り込む要素は、必ずしも競合優位性でなくても大丈夫です。お客さまのニーズを満たす方法として自社製品に圧倒的な優位性がなくても、競合製品と類似している・ほぼ同等である、などでも十分です。バリュープロポジションの優劣は、競合他社との優劣ではなく、お客さまがあなたのバリュープロポジションを納得していただけることが、最も大切なのです。

「うちはいいですよ」「うちはお得ですよ」という話をされて、よくよく聞いてみると、具体的な裏付けやデータなどまったくなく、「みんな、そうされています」「みんなが、そう言っています」などと説明を聞かされる経験は、みなさんにもあるでしょう。とにかく納得感に欠けます。

バリュープロポジションは、伝えたいメッセージだけでなく、その裏付けやバックデータが必要ですね。バリュープロポジションは、「かんたんな言葉」+「簡単な数式」。もっとも簡単な作り方だと思います。

さいごに

もしバリュープロポジションをつくることが、マーケティングの仕事であるなら、ひたすらお客さまにあって、お客さまのニーズを確認しなくてはなりません。会社のデスクだけでは、良いバリュープロポジションなどできないでしょう。



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