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「また来るよ」を「また来たよ」にするための会話術(1)


「会話力」でお客様にまた来てもらうために

「また来るよ」を「また来たよ」にするための会話術

これからの経営と会話の関係

「新鮮で安全な食材を安く仕入れ、良い商品を安価で提供できれば、お客様は満足してお店は繁盛する」


まさにその通りです!

これは昔も今も、おそらく未来永劫、変わることがない飲食店の原理原則といえるでしょう。


しかし、さまざまな飲食店が現れては消え、消えては現れ…


「より良い商品をより安く!」


としのぎを削る競争が続く中で、その恩恵を受けたお客様の食のレベルが向上した近年においては商品だけで差をつけることは難しい状況になっています。

では、何であれば差をつけられるのでしょうか?


その一つが会話です。


なぜ会話なのでしょうか?


会話は高度なコミュニケーションであるため、「こうすれば良い」と定めることができず、マニュアル化できないことが理由として挙げられます。


逆にこのマニュアル化できない会話力を高められれば、近隣の競合店に商品以外で大きな差をつけることが可能になるのです。

「また来るよ」に満足しない

思い浮かべてみてください。

レジでお会計をするお客様。

今日の食事に満足した様子。

「お会計○○円でございます。」

レジ担当が伝えると、笑顔で財布を取り出し、○○円を支払うお客様。

「○○円のおつりです!ありがとうございました!


スタッフがお辞儀をするとそのお客様は満面の笑顔

「今日は本当に美味しかった、また来るよ!」

と帰っていきました

私は今でも現場に入ることがありますが、

お客様に「また来るよ!」と言ってもらった時ほど

「疲れも吹っ飛ぶ」気持ちになることはありません。

「飲食で働いていて良かった!」

そう感じる瞬間です。

ただ待ってください。

これまでは…これで十分、合格でした。


しかし、これからの経営では、これでは足りないのです。

何が足りないのでしょうか?

それは「また来るよ」という言葉の「たしかな証拠」です。


多くのスタッフさんは、ここまで考えを巡らせることができません。

未だに「また来るよ」に満足してしまっているのです。

「店を出たら3歩で忘れる」お客様

私はお店のスタッフさんに、いつも伝えていることがあります。

それは

「どんなに喜んでもらっても、お客様は店を出たら3歩で忘れる、と思いましょう」

とです。


もちろん、そんなことはなく、ずうっと覚えてくださるお客様もいます。


しかし

「覚えていて、記憶にあるうちに再来店してくれるかどうか?

こればかりは、お客様頼みになってしまいます。

同じサービスをしても一ヶ月間覚えていて、

その間に再来店してくれたAさんがいれば、


店を出た瞬間にスマホでLINEの返事を返し始めて

あっという間に忘れてしまうBさんもいるのです。


これは仕方のないことで、記憶には個人差があるからです。


そのような理由で私は、記憶の最短として

「店を出て3歩と思うべき」と伝えているのです。


「良いサービスをして満足してもらえれば、きっとまた来店してくれる!」


これは今後も変わらない商売の真理ですが、お客様の記憶だけに過度な期待をすることは禁物です。


これからは「また来るよ」ではなく


再来店時の「また来たよ」までをサービスの目的にしていくべきなのです。


(つづく)


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