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91.旗印

居るのはつらいよ

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三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェアでお買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

「シリーズ ケアをひらく」の(ほぼ)最新刊で、ものすごい売れ方をしています。ツイッターで言及される数も過去最大級です。本書は「中動態の世界」の後継者というか普及版とでも言えるような内容でして(著者の東畑さんも本文中でほのめかしています)、この内容がケアの文脈で世の中に広がっていく姿は、なんていうんでしょう、「キングダム」で圧倒的に強い軍隊が敵軍を蹴散らしていく俯瞰的な描写あるじゃないですか、ああいうのをイメージするんですよ。わあ、時代が変わりつつあるぞ、みたいな……。ところでもしあなたがツイッターをやっているならば、読んでいる途中に、おそらく「ツイートしたい」と感じる場所があります。読んだ人はピンと来ます。ツイート検索するともちろんぼくもつぶやいています。そうそう、あとがきも好きなんだよな。

今はぜんぜん最新刊じゃないんだけどいまだにものすごい売れ方をしている。検索すると本当に「居るのはつらいよ、なう」とつぶやいている人が今でもいる。確実に時代を作っている。FACTFULNESSと居るつらだけで2時間くらい語ることができる。

「居るのはつらいよ」の前とあとでシリーズ・ケアをひらくの売れ方も変わっているように見える。牽引する本ができたというか……。「そうは言っても哲学書じゃん」とか、「どこからどうみても精神看護じゃん」だったジャンルにひとつの「生活」という軸が打ち込まれた感覚がある。まったくたいした本なのだ。

(2021.3.12 91冊目)

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